風邪と「点滴」

いつの間にか1月も半ばを過ぎ、すでに1月25日。残り6日になってしまいました。

例年にも増してインフルエンザや感染性腸炎が流行していたり、外来を受診する患者さんの年齢層も幅広くなっています。

さあ1月だ!と思ったものの、体調を崩して出鼻をくじかれた方も少なくないのではないでしょうか。

 

先日「咳が続くので、点滴をしてほしい。」という80歳台の方が受診してきました。

「風邪が良くならないので抗生剤を出してほしい。」という方は何人かお見えになるのですが、「点滴」は久しぶりでした。

 

それでも最近は、きちんとした情報が発信されて、「ウイルスには抗生剤は効かない」ということが周知されつつあるのを感じます。

ワクチンやインフルエンザの治療薬(=抗インフルエンザウイルス薬)のおかげで、ウイルス感染症の対応の仕方が身近になってきているからかも知れません。

あるいは、ノロウイルスが流行するたびに、「ノロウイルスにはワクチンはない」「ノロウイルスにはタミフルのような治療薬はない。」「最善の対策は、予防につとめることです。」という注意が徹底されるからでしょうか。

診察室で「抗生剤を出しておきましょうね。」と言うと、「抗生剤まで必要ですか?」と訊かれることも珍しくなくなってきました。

良いことだと思います。

 

「点滴は水分のバランスをとるためのもので、咳には効きませんよ。」

先ほどの「点滴をしてほしい」と言う方に説明しました。

「でも、前に点滴した時は、すぐに咳が良くなったよ。私には点滴が効くと思うんですよ。」

「その時は、症状が良くなるタイミングと重なったのかも知れないですね。」

それから、少し時間をかけて説明しました。

 

「点滴」と「抗生剤」の適応が、一般の方々にも浸透することを願っています。

 

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