懐かしい記事と写真

 

表紙を見ると2004年という数字が見えますから、もう9年も前の記事ですね。

協和発酵キリンさんの冊子『and You』です。

andYou

透析関連の冊子で、実は沖縄県立中部病院の透析室が取材を受けたことがありました。

もちろん、私は当時中部病院で勤務していましたから、しっかりと輪の中に入っています。

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先日、これを見つけた方がわざわざ大切に持ってきてくれたものです。

(ありがたいことです。)

 

私が相変わらずのボサボサの髪で映っています。

当時は髪の毛をさらに赤く染めていたので、今見ると何とも奇妙です。

 

今、さくだ内科クリニックで一緒に働いているスタッフもしっかりと映っていて、人のご縁の不思議さを思います。

 

中村天風 「運命を拓く」

 

中村天風氏は、稲盛和夫氏の著書『燃える闘魂』に紹介されたように、積極思想を説いた思想家です。

「いかなる場合にも、常に積極的な心構えを保持して、堂々と人生を活きる」

その語り口は氏の強烈な父性が表れているように思います。

 

「人間は、健康でも、運命でも、心が、それを、断然乗り越えて行くところに、生命の価値があるのだ!」

 

この「心の思考が人生を創る」という思想の発信が、アファメーションという言葉が知られていなかった頃からだと考えると、ただ感嘆してしまいます。

この本に強力な“アファメーション”としても有名な「力の誦句」が載っていますので紹介しますね。(60p)

 

 

力の誦句

 

私は、力だ。

力の結晶だ。

何ものにも打ち克つ力の結晶だ。

だから何ものにも負けないのだ。

病にも、運命にも、

否、あらゆるすべてのものに打ち克つ力だ。

そうだ!

強い、強い、力の結晶だ。

 

 

 

透析液の清浄化の工程 エンドトキシン捕捉フィルターについて

 

透析液の清浄化については『2011年版社団法人日本透析医学会「エンドトキシン捕捉フィルター(ETRF)管理基準」』の解説文がよく表していると思います。

「透析施設は透析液製造所としての側面を持ち、最終的な透析液の品質について責任を有する。」

 

ETRFというのは 上記にもあるようにEndotoxin Retentive Filterの略で「エンドトキシン捕捉フィルター」のこと。

見た目は普通のダイアライザーにそっくりです。

フィルターを通すことでエンドトキシンを捕捉し含有濃度をさげるというもの。

 

透析液の水質は透析医学会で基準を設けており、以下のようになっています。ETと記されているのがエンドトキシンのことです。

『透析療法に使用される水は以下に示すように四つのカテゴリーに分けて生物学的汚染についての水質基準が決定されている。

透析用水         細菌 100 CFU/mL 未満 ET 0.050 EU/mL 未満

標準透析液         細菌 100 CFU/mL 未満 ET 0.050 EU/mL 未満

超純粋透析液     細菌 0.1 CFU/mL 未満 ET 0.001EU/mL(測定感度)未満

オンライン補充液  無菌かつ無発熱物質(ET)

細菌数 10 / −6CFU/mL未満 ET 0.001EU/mL(測定感度)未満

 

エンドトキシンというのは、グラム陰性桿菌の細胞壁に存在する構成成分です。

日本語で内毒素とも言いますが、エンドトキシンと呼ぶのが一般的です。

水道水は塩素が加えられており、菌が生育できないようになっていますが、菌が死滅しても、菌の死骸の一部であるエンドトキシンは高濃度で残存しています。

 

ただし、一般的に水道水を飲んでもエンドトキシンは腸管を介して我々の体にほとんど吸収されないため問題にはならないのでご安心ください。

しかし、透析液にエンドトキシンが含有していると話は違ってきます。

透析液は水道水を原料につくっていきますから、水質を担保するためにETRFは必要になってくるのです。

現在、オンラインHDFやハイパフォーマンス膜の普及で、上記のような最終調整の水質の管理目標は設けられているのですが

供給にいたるまでのシステム設計やハードウェア(ETRFなど)の設置は各施設にゆだねられているのが現状です。

 

「透析液完全管理責任者セミナー」テキスト〈第3版〉97ページにはこうあります。

『透析液調整工程は、透析液のAB原液を供給する粉末製剤溶解装置と多人数用透析液供給装置から構成されている。

(略)

図8にAB溶解装置の管理と注意点を示す。

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それを参考にした私たちクリニックの実際です。

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オーバーナイト透析実施のお知らせ

 

私たちは開業当初から深夜透析(オーバーナイト透析)の準備をしてきました。

今回は、実施スタートのお知らせをいたします。

 

今まで、既に実施されているクリニックのお話を伺ったり、実際の診療場面の見学をさせていただいたり

特に本山坂井瑠実クリニックの坂井瑠実先生、臼井荘一技師長をはじめスタッフの皆さんのご厚意にはいつも感謝しております。ありがとうございます。

 

またオーバーナイト透析を希望される透析者の皆さんのお話も取り入れながら、どのような形にしていったら良いのかを探ってきました。

希望される方々からの「いつ始まるのか」のお問い合わせに対し、いつも歯切れの悪い返答でご迷惑をかけておりました。

その中でスタッフとミーティングを重ね、まずは行動を起こすことだということに結論を出しました。

 

さくだ内科クリニックでは10月からオーバーナイト透析を実施する予定です。

ただし、すべてが準備万端とはいかないのが実情ですので、ご一緒にオーバーナイト透析の仕組みを築きあげていっていただける方々からのスタートになります。

皆さんとディスカッションをしながら、より良いものへとscrap & buildで改善していきたいと考えています。

 

当初、おおっぴらにせず準備が整ってから告知するべきだと考えていましたが、心待ちにされている方々もいますので、「知らない間にスタートしていた」ということのないようにしたいと思いました。

 

ご理解のほどをよろしくお願いいたします。

 

 

稲盛和夫 「燃える闘魂」

TSUTAYAで稲盛和夫氏の本を偶然に見かけたので、迷わずに購入しました。


氏の本はどれも読むと元気になり、やる気が湧いて積極思想に書き換えられます。

タイトルの燃える闘魂というのは、よく知られたアントニオ猪木さんのキャッチフレーズ。

稲盛氏が「経営の原点」として十二ヶ条にまとめたうちの8番目にあって

いまの日本に最も必要だと考えている要素だということです。

 

八、燃える闘魂

 経営にはいかなる格闘技にもまさる激しい闘争心が必要

 

『新しき計画の成就は只不屈不撓の一心にあり。さらばひたむきに、只想え、気高く強く、一筋に』

稲盛氏が日本航空の会長に就任した直後に、悲嘆にくれていた社員に訴えたのがこの言葉とのこと。

この言葉は稲盛氏の言葉ではなく、これもまた伝説的な思想家、中村天風氏の言葉です。

 

『新しい計画や目標が成就するかどうかは、不屈不撓の一心、つまり、どんなことがあろうとも決して挫けない心にある。

ならば、常にそれを自分に言い聞かせよ。気高い理想と高邁なビジョンを、強烈に心に描き続けよ。』

勝利をおさめるまで果てしなく戦い抜くような闘魂。

 

ほかにも、この本には私にとって印象的な言葉が数多くありました。

「(略)若い社員がセラミックスの焼成の工程で何度やっても焼成炉内が一定の温度にならず、焼き上がりの寸法に微妙な差が出てしまい、意気消沈していた。

わたしは、彼にこうたずねた。

「神に祈ったか。焼成するときに、どうかうまく焼成できますように神に祈ったか。」

神に祈るしかないほど、最後の最後まで精魂込めて、努力と創意工夫を重ねたかと問うたのだ。(略)」

 

神が思わず助けたくなるほどの頑張りをしてきたか。

現代の世の中は「頑張らなくていい」という風潮が誰に対しても広まり過ぎたかも知れないと思っています。

もちろん頑張り過ぎてつぶれそうになった人は十分な休養が必要です。

でもまだまだ頑張らなくてはいけない人も、もちろんいます。

特に人のためにすることがある人たちです。

 

「まだ全然努力していない。まだ成就する資格がない。」と私の場合、思います。

 

この本を読んで、燃える闘魂を注入してもらった気がしました。

 

プロレス好きの友人

 

中学時代、友人達は好奇心の塊で毎日を過ごすようなものですから

趣味や興味が似通っているのはもちろん、初めて出会う事柄にも喜んで飛びつくような感じでした。

 

マンガやSF小説に夢中になったり、ギターや絵画に一生懸命になったり。

友人の部屋にみんなで集まっては盛り上がっていました。

高橋留美子さんの「めぞん一刻」や平井和正さんの「幻魔大戦」など

皆でまわし読みした思い出があります。

 

そのなかにプロレス好きの友人がいました。

 

ある日、彼が「タイガーマスクが出た」と言いました。

「え?」

「昨日のプロレスに本物のタイガーマスクが出たんだよ。」

「タイガーマスクって?」

私は思わず失笑をもらしてしまいました。

「どうせ大したことないんじゃないの。」

「いや、それがびっくりするほど凄いレスラーだったんだよ。録画してあるから見よう。」

 

それが、初代タイガーマスク伝説のデビュー戦。

ダイナマイト・キッドとの試合でした。

 

今の世の中が凄いのは、そういう伝説的なものまでYouTubeで見れることなんですね。

中学の頃を思い出して、懐かしかったです。

 

[youtube]http://youtu.be/vLDxeBaQg7Q[/youtube]

 

 

マジシャンで心理学者 (マジシャンは心理学者?)

 

イギリスの心理学博士リチャード・ワイズマンさん(Richard Wiseman)のYouTubeの動画はとてもユニークで面白いものです。

 

それもそのはず、元々がマジシャンのキャリアを持っている方です。

それが高じて、マジックに騙される側の心理に興味を持つようになり

心理学の博士号までとってしまったというのですから徹底しています。

 

彼が提唱しているのが“Quirkology”(奇妙心理学)

“Quirkology”とは”Quirky”(奇妙な)と”Psychology”(心理学)を組み合わせた造語。

変わった行動や俗説、迷信や超常現象などを科学的に解明したり研究したりする心理学のことを言うそうです。

 

人間の注意力の不確実さを示した実験的な動画が有名ですね。

個人的にはマジックの小ネタ・コレクションも好きです。

 

面白いのでぜひご覧ください。

 

 [youtube]http://youtu.be/v3iPrBrGSJM[/youtube] 

オーバーナイト透析に向けて

 

オーバーナイト透析に具体的に開始するために、現在抱えている問題点をあげてみました。

急ピッチで進めなければならないことが山ほどあります。

協力していただける方々のあたたかいご支援もあります。

 

タイムテーブルに従ってひとつひとつ解決しながら、前に進みたいと考えています。
オーバーナイト透析に向けての取り組み

 

 

ナルキッソス と エコー

 

心理学では、病的な自己愛をナルシシズムといいます。

ポピュラーな言葉ですが、ポピュラー過ぎて意味を考えずに使ってしまう言葉のひとつなのかも知れませんね。

 

改めて、どんな意味なのかは極端な例を出すと想像がつきやすくなると思うので

「自己愛性パーソナリティ障害」の診断を下記に記してみます。

 

誇大性(空想または行動における)賞賛されたいという欲求、共感の欠如の広範な様式で、成人期早期までに始まり、種々の状況で明らかになる。

以下のうち5つ(またはそれ以上)によって示される。

(1)自己の重要性に関する誇大な感覚(例:業績や才能を誇張する、十分な業績がないにもかかわらず優れていると認められることを期待する)

(2)限りない成功、権力、才気、美しさ、あるいは理想的な愛の空想にとらわれている。

(3)自分が“特別”であり、独特であり、他の特別なまたは地位の高い人たちに(または施設で)しか理解されない、または関係があるべきだと、信じている。

(4)過剰な賞賛を求める。

(5)特権意識、つまり特別有利な取り計らい、または自分の期待に自動的に従うことを理由なく期待する。

(6)対人関係で相手を不当に利用する。つまり、自分自身の目的を達成するために他人を利用する。

(7)共感の欠如:他人の気持ちおよび欲求を認識しようとしない、またはそれに気づこうとしない。

(8)しばしば他人に嫉妬する。または他人が自分に嫉妬していると思い込む。

(9)尊大で傲慢な行動、または態度。

(以上、DSM-Ⅳ-TR 精神疾患の分類と診断の手引き(医学書院)より)

 

その名前の由来となったナルキッソスはギリシャ神話の登場人物です。

今回はナルキッソスとエコーについてのお話をしましょう。

 

ナルキッソスは美貌の青年。

河神ケピソスと妖精(ニンフ)のレイリオペの子どもとして生まれました。

 

彼がうまれたときの預言者の言葉が

「この子が自分自身を知ることがなければ長生きしよう」

というものでしたが、その言葉の意味を誰も理解できずにいました。

 

美しく成長したナルキッソスは、その美貌ゆえに男女の隔てなく恋愛の的となりました。

そして、妖精(ニンフ)のエコーも彼に恋しました。

エコーは、ゼウスが浮気をしているときに妻のヘラに話しかけて監視の目をそらせる役目をしたため

激怒したヘラによって呪いをかけられてしまいました。

その呪いとは

「自分から他人に話しかけることができなくなる。また他人から話しかけられても、その言葉の最後の音節を繰り返すことしかできない。」

というものでした。

 

そのため、彼女は自分の気持ちをナルキッソスに打ち明けることができなくなり

心労のあまり痩せてしまい、姿をなくし、ついには声だけになってしまいました。

 

これが木霊(こだま)の始まりです。

 

エコーの苦しみを理解せずに冷酷な仕打ちを繰り返したナルキッソスにも愛への侮辱だとして神々の罰がくだります。

他人を愛せないナルキッソスが、ただ自分だけを愛するようにしたのです。

 

ある日、ナルキッソスは狩りに出かけます。

その途中で喉を潤しに泉にやってきたナルキッソスは、泉に映った自分に恋をしてしまいます。

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決して報われることのない恋です。

彼は次第に衰え、やがてその泉の水辺で息絶えてしまいました。

 

そこには白い花びらの水仙が残ったということです。

余談ですが、水仙のことを英語で narcissus というそうですね。

 

 

預言者の言葉を思い返してみてください。

「この子が自分自身を知ることがなければ長生きしよう」

水面に映る自分自身を知ることがなければ、身を滅ぼすことはなかったのかも知れません。

でもやっぱり時間の問題だったかな…。

 

クローニン 『城砦』

大学時代、高校の同窓でもあった先輩が私を含めた後輩たちをよく連れ歩いてくれました。

そして、夜遅くまで語ってくれたものです。

 

この社会で自分たちはどんな働きができるのか。

その準備のために何を学ぶべきなのか。

 

とても強い志を持った先輩で、私が「沖縄県立中部病院」の研修へ進んだのは、その先輩の影響が強かったと思います。

大学時代の親交のあった(私をかわいがってくれた)多くの先輩たちは、皆さん高い確率で中部病院の研修に進んでいましたし

私も同じように歩みたいと思ったのは自然の流れだった気がします。

 

その先輩が、自らの座右の愛読書として紹介してくれた本がありました。

クローニンの『城砦』です。

先輩は『城砦』を読んで、医者を志したというように記憶しています。

(ん?違っていたらごめんなさい。そう聞いたような気がします…。)

 

当時、私も先輩に促されて読んでみました。

実は今もこの本に影響されているなと思う時があります。

確かノーベル化学賞受賞者の鈴木章名誉教授も愛読書として『城砦』をあげていました。

 

久しぶりに読みたいと思って

(実家の物置と化した私の部屋には埋もれているのでしょうが、発掘作業が面倒だったので)

アマゾンで検索してみたら、『城砦』がすでに絶版になっているのを知って愕然としました。

 

クローニンが絶版に?

 

せめてKindle化(電子書籍化)され、世の医学生の皆さんが気軽に読めるようになることを願っています。

 

朝日出版社「世界文学案内」のサイトで『城砦』のあらすじが載っていましたので紹介します。

このサイトは世界の名作が5分で読める!と銘打たれたサイトです。

 

医学校を出たばかりの青年医師アンドルー・マンスンは、南ウェールズの炭坑地方へ医師の代診として赴任したのち、鉱山町に移って小学校教師のクリスティンと結婚し、貧しいながらも楽しい家庭生活に入る。

肩書の必要を感じた彼は、妻の協力を得て猛勉強をした結果、英国医学会会員の資格試験に合格する。

やがて妻は妊娠するが、橋から落ちて流産してしまう。

アンドルーはこの不幸に屈せず、炭坑夫の肺疾患を臨床調査にもとづいて研究した論文を完成して医学博士となる。

ところが治療以外の研究にうちこんでいる彼に反感を持つ人がいたので、彼は多くの人に惜しまれつつ辞任し、ロンドンへ出て開業医となる。

しかし立派な肩書をもつ彼には客がつかず、肩書も実力もない医師たちの方が巧みにお金をもうけて世間的には成功しているのを見て、アンドルーはこれまでの良心的態度を捨てて金もうけ主義にはしる。

そして上流の客をつかみ、立派な病院に勤務する名誉ある医師となって、富と社会的地位を獲得する。

金に魂を奪われている夫の姿を見た妻は、夫が城砦を攻撃する勇ましい戦士のように、情熱を傾けて自分の研究や社会の不正に立ち向かっていた鉱山時代の生活の方が、貧しくてもずっと楽しかったという。

こうしてふたりの考え方がくいちがい、愛情にひびが入る。

ある時アンドルーは患者の手術を友人の外科医にまかせたところ、その友人は手術に失敗して患者を殺してしまった。

この事件に責任を感じたアンドルーは再び正義感をとりもどし、自己反省をして妻と心から和解する。

アンドルーは信頼できる友人を集めて、各自の専門の分野を担当する新しい共同診療所をつくる理想をもち、いよいよ新しい仕事に着手しようとした時、彼のよき理解者であった妻は、バスにはねられて不慮の死をとげてしまう。

その上、彼に反感を持つ医師たちは、彼が友人の娘の結核をなおそうとして、信頼のおける外国の無免許医と協力したことを訴えたので、危うく医学会会員の資格を奪われそうになるが、審議の席でアンドルーの誠意が認められ、資格は奪われずにすむ。

友人たちと新しい計画を実行するためにロンドンを去る日、アンドルーは妻の墓へ行った。やがて墓を去ろうとすると、空には城砦の胸壁の形をした雲が、彼の前途に希望を与えるかのように、明るく浮かんでいた。