ユマニチュードについて

出勤時にカーラジオをNHKラジオ第一に合わせると、「マイあさラジオ」という番組がちょうど流れています。

「今日は何の日」とか「社会の見方・私の視点」などお馴染みのコーナーを聞くことは、いわば1日のルーティーンになっているので、一種の安心感があります。

私が楽しみにしているのは「健康ライフ」のコーナー。

 

特に4月3日から7日までの5日間は、国立病院機構東京医療センター総合内科医長の本田美和子先生が「認知症ケア 革命的技法」というタイトルで、ユマニチュードについてお話ししてくださいました。

 

1) ユマニチュードとは

2) ・見る・話す・触れる事の重要性

3) 話を聞く、食事の世話をする場面でのかかわりについて

4) 何かに強くこだわっている、着替えをする場面でのかかわり方

5) 心をつかむ5つのステップ

 

どの項目も非常に勉強になったのですが、最終日の心をつかむ5つのステップは

  • 出会いの準備
  • ケアの準備
  • 知覚の連結
  • 感情の固定
  • 再開の約束

というもので、特に勉強になりました。

 

ユマニチュードは、精神論や「べき論」ではなく、ケアの技法であることが私たちにとって救いであると思います。

それは、技法さえしっかり習得すれば誰でもこなせるようになることが前提になっているからです。

介護する側が燃え尽きにならないように、ユマニチュードをまた改めて勉強したいとと思いました。

 

ところで、4週前までの過去の「健康ライフ」はインターネットでストリーミング配信されているんですね。

山口先生の回はすでに聞けませんが、まとめてお話しが聞けるので勉強になります。

リンクを貼っておきますね。

こちらです。→ 「健康ライフ」

 

 

「とても」と芥川龍之介

 

「全く」という言葉は、その後に特に否定表現を続けて、完全な否定の気持ちを強調します。

「全くわからない」など。

 

肯定文で遣う場合は、嘘や誇張がない真実であることを強めて表す場合です。その時は「実際に」とか「ほんとうに」という意味が含まれています。

「全くあなたのおっしゃる通りです。」など。

 

「全く」や「全然」の後には、かならず否定表現を続けなければならないと思い込んでいた時期もあって、言葉って面白いなあと思っていたのですが、芥川龍之介の「澄江堂雑記」を読んでいたら、さらに面白い文章にぶつかりました。

 

あの芥川龍之介も(いやむしろ大作家だからこそ?)「最近の若者は、言葉の遣い方がなっちょらん!」と密かに憤慨していたのでしょうか。

 

青空文庫で見つけたものを、そのまま引用します。

「澄江堂雑記」とは、芥川龍之介の短いエッセイをまとめたエッセイ集です。

リンクを貼っておきますね → 「澄江堂雑記

そのうちの二十三 『とても』というタイトルのエッセイです。

 

「とても安い」とか「とても寒い」と云ふ「とても」の東京の言葉になり出したのは数年以前のことである。勿論「とても」と云ふ言葉は東京にも全然なかつた訣(わけ)ではない。が従来の用法は「とてもかなはない」とか「とても纏(まと)まらない」とか云ふやうに必ず否定を伴つてゐる。

 肯定に伴ふ新流行の「とても」は三河(みかは)の国あたりの方言であらう。現に三河の国の人のこの「とても」を用ゐた例は元禄(げんろく)四年に上梓(じやうし)された「猿蓑(さるみの)」の中に残つてゐる。

秋風(あきかぜ)やとても芒(すすき)はうごくはず 三河(みかは)、子尹(しゐん)

 すると「とても」は三河の国から江戸へ移住する間(あひだ)に二百年余りかかつた訳である。「とても手間取つた」と云ふ外はない。

 

 

かなり皮肉たっぷりのユーモアでしめくくっていますね。

「とても」の遣い方について、歴史的な変遷を調べてみるのも、面白そうだと思いました。

 

 

コンビニ・マジック「増えるお金」

勝手に100円マジック普及委員会(非公認)を名乗っています(笑)。

今回は、フジカさんの「Wonderful Magic」シリーズの紹介です。

 

以前にコンビニで衝動買いしたもののうちのひとつなのですが、黒崎正博さん監修のダイソー・マジックとは一味違って、これもまた面白いのです。

「増えるお金」は「series9」と番号がふってあります。レベルは「初級」。

(100円はついていません。念のため)

 

現象としてはシンプルです。

お皿にコインを乗せてもらいます。

 

その皿を受け取り、手元で裏返しただけで、一瞬にしてコインが増えるというマジックです。

 

 

演出としては、あまりもったいぶらない方が良いでしょうね。

いくつか「コイン系」のマジックを用意したうえで、流れの中で披露する方がすっきりするかも知れません。

 

 

ボックス呼吸法

アメリカの2つの著作で目にしたので、あちらの方で浸透している呼吸法なのかも知れませんね。

ボックス呼吸法(正方形呼吸法)とも Tactical Breathing(戦術的呼吸法)とも呼ぶようです。

 

ペンタゴン式目標達成の技術 カイゾン・コーテ著

 

この本では、こう説明しています。

「意識的な呼吸は人間を理想的な状態にする。心身がそのような状態になれば、当然パフォーマンスの質は向上する。」

 

以前にも紹介した「立て直す力 RISING STRONG 感情を自覚し、整理し、人生を変える3ステップ(ブレネー・ブラウン著)という本にもこの呼吸法が紹介されていました。

 

やり方はこうです。

1)肩の力を抜く。

2)鼻からゆっくりと深く息を吸い込む。お腹を膨らませ、4つ数えながら吸い込む。1,2,3,4。

3)お腹を膨らませたまま息を止める。そのまま4つ数える。1,2,3,4。

4)口から息を吐き出す。お腹をへこませ、4つ数えながら全部吐き出す。1,2,3,4。

5)すべて吐き終えた状態で4つ数える。1,2,3,4。

6)ここまでを1クールとして、これを4~5回繰り返す。

 

その際に注意することは、息を止める時に力を入れないようにすること。自然な呼吸の流れに沿って、その流れを一瞬中断させるようなイメージで、ということです。

 

ボックス呼吸をトレーニングするための、面白いGIFアニメーションがありました。

 

Box Breathing (the Navy SEAL breathing technique) from QuietKit

 

このアニメーションを見ながら、呼吸法の練習ができます。

 

青い円の拡張に合わせて息を吸い込んで、最大サイズの時に息を止める。

そして青い円の縮小に合わせて息を吐き出して、最小サイズの時に息を止める。

 

この呼吸法をマスターすることで、気持ちを鎮めたり、不安を軽減することに役立つのだと言っています。

試しにやってみてもいいですね。

 

時間とは

 

「時間とは何か?」ということについては、かなり哲学的な問いかけになってきますし、考えれば考えるほど、よくわからなくなります。

 

その「よくわからない」ということを、端的に表したアウグスティヌスのこの言葉は、いろいろな場所でよく引用されていますね。

「私はそれについて尋ねられない時、時間が何かを知っている。尋ねられる時、知らない。」

この回答の仕方は、いつか応用して使ってみようと思ったほど、的を射ていると思いました。

 

「言葉にしようと思ったら言葉にできない。」

そういうもどかしさ、歯がゆさがあります。ちょっと説明しようとすると、すぐに矛盾を自分で気づいてしまうからです。

 

 

そのアウグスティヌスが「告白」の中で時間について(まじめに)答えたのが次の文章でした。

 

「未来も過去も存在せず、また三つの時間、すなわち、過去、現在、未来が存在するということも正しくない。

それよりはむしろ、三つの時間、すなわち、過去のものの現在、現在のものの現在、未来のものの現在が存在するという方がおそらく正しいであろう。

実際これらは心のうちに三つのものとして存在し、心以外に私はそれらのものを認めないのである。

即ち過去のものの現在は記憶であり、現在のものの現在は直感であり、未来のものの現在は期待である。」

 

つまり、過去も未来も現在のなかにある、と言っています。

 

 

龍樹(ナーガールジュナ)もそれに近いことを言っていますね。

 

「すでに去ったもの(過去)は去らない。

まだ去らないもの(未来)も去らない。

すでに去ったものとまだ去らないものとを離れて、現にさりつつあるもの(現在)は去らない。」

 

過去を認識したときには、すでに過去は存在しないものです。そして、未来は、まだ存在しないのですから、認識することさえできません。

過去も未来も実在しないということになってしまいます。

 

 

存在する全てのものは、どこに存在しようとただ現在としてのみ存在する。

時間は実在そのものなのだ。

 

 

三連休の頭で、ちょっとだけ哲学してみました(笑)。

 

 

5月連休中の診療のお知らせ

5月の第1週目は大型連休があります。

今日から5月。連休中の天気が気になるところですね。

 

さて、連休中のクリニックの休診のお知らせをいたします。

上記のように、3日(憲法記念日)、4日(みどりの日)、5日(こどもの日)の3連休は祝日となっていますので、クリニックも休診となります。

6日(土)は平日ですので、通常通り午前中は診療します。

 

ご理解のほど、よろしくお願いいたします。

 

 

インフルエンザ流行状況(2017年第16週)

4月26日に沖縄県インフルエンザ流行状況が発表されています。

 

先週に引き続き、沖縄県全体では「インフルエンザ注意報」が解除されています。

けれども、那覇市保健所管内では引き続き終息基準値である10人未満となっていないため、警報は発令されたままです。

同様に中部保健所管内も注意報が発令中です。

今、流行しているのは、B型がほとんどです。

学校を中心にまだまだ油断できないのが現場の実感です。

 

手洗いと咳エチケットのご協力をよろしくお願いします。

 

 

いつの間にか

このブログで何度「いつの間にか」という書き出しを使ったことでしょう。

けれども、やはり使わずにはいられないほど、早い気がします。

「いつの間にか、今日で4月も終わりです!」

 

 

油断していた訳ではないですが、とにかく早かった気がします。

今月は、学会出張や研究会、清明祭(には行けなかったですが)いろいろな行事とともに、クリニックの仕事など…。

 

 

V・E・フランクルは、「大切なのは、その活動範囲において最善を尽くしているか、生活がどれだけ『まっとうされて』いるかだけなのです。」と言いました。

そして、「ひとりひとりの人間がかけがえなく代理不可能」「各人の人生が与えた仕事は、その人だけが果たすべきものであり、その人だけに求められている」と続きます。

 

 

まさしく、そうに違いないのですが、私は自分の活動範囲で「まっとう」したと言い切れません。

『早すぎる」と思っている気持ちの裏返しがそれです。つまり、何もしないまま終わってしまった4月を後悔しているのです。

 

 

「自分の活動を通じて、もっと有意義で、もっと意味に満ちた人生をおくること」を望んでいますが、歯がゆい気持ちで揺れています。

せめて、5月こそはと前を向いてみることにしましょう!

 

 

絵本「おやすみ、ロジャー」

那覇の本屋で、入ってすぐの島に面陳列してあったということもあって、気になっていた絵本がありました。

 

 おやすみ、ロジャー 魔法のぐっすり絵本  カール=ヨハン・エリーン (著)

絵本と同様に、CDブックもあります。

こういう説明がついていました。

 

読むだけでお子さんがすぐ眠る!

子育ての常識を変えた「寝かしつけ」絵本です

 

心理学・言語学研究者の著者が、「子どもがなぜ寝たくない気持ちになるのか」を徹底的に考慮。

自然に眠くなるよう「ここを強調して読み、ここであくびするように」などの細やかな指示が入っています。

従来のいわゆる「おやすみ絵本」とは違ったコンセプトで、理論にもとづきお子さんをリラックスさせます。

 

 

理屈はともかく、CDで朗読を流すだけで子どもが寝つくのなら、大人にも効きめはあるんじゃなかろうか?

不眠を訴える患者さんもたくさんいますし、これはひとつ、自分で試してみようと思い立ちました。

毎日ではありませんが、軽く不眠がちになることがあるからです。

 

 

さっそく朗読の音声をiPadに入れて、就寝時に枕元に置いて、大きすぎず小さすぎず音量を微調整してかけてみました。

 

被験者1名、51歳男性(つまり私)のみの実験です(笑)。

で、結果。

なんといいますか、効果があったかなかったかと言うと、恐らく、効果ありました。

43分間の水樹奈々さんの朗読ですが、絵本の最後まで到達せずに寝入ってしまったのです。

 

ですから、絵本の結末を知りません。

43分間のストーリーのうちの、どこかで眠ったということですね。

何時間も眠れないという人は、試してみても良いかも知れません。

 

 

これから試そうと思っている大人の方に。

絵本だからと言って、バカにしないこと!

童心に戻ったつもりで聞くのがコツかと思います。

 

 

サンプルがYouTubeにありましたので、ご紹介します。

 

第2回沖縄県長時間透析研究会

昨夜は前田病院/天神オーバーナイト透析&内科の前田利朗先生をお招きして「第2回沖縄県長時間透析研究会」を開催しました。

 

特別講演のタイトルが「からだに優しい透析を心がけて〜スタンダードとしての6時間透析〜」

6時間透析を「スタンダード」として、20年以上も継続してこられた前田先生ならではの、感動的な講演でした。

随所に先生の信念やポリシーが感じられるお話で、今日からでも患者さんに還元できるような内容が満載でした。

 

講演後も時間を割いてくれて、たくさんの質問に答えていただいたのが、ありがたかったです。

大盛況でした。感謝いたします。