何十年ぶりかに「国語辞典」を購入しました。
家族からは「スマホもあるしパソコンもあるのに、なんで? 電子辞書じゃだめなの?」と不思議そうに訊かれました。
わからない言葉に遭遇した時には、電子辞書はもちろん便利です。
発音の悪い私は「Siri」に訊くとかけあいの漫才みたいになるのでやりませんが、今の若いヒトがSiriと対話しているのを聞くと、びっくりします。
答えを引き出すスキルというのは、AIを持ち出すまでもなく、インターネットが出現してきた頃からどんどん進んでいっているのを実感します。
医学論文の文献検索などは特にそうですね。ある一時期(研修医時代)は毎月送られてくるMEDLINEのCD-ROMをパソコンにセットして検索したものでした。今では当たり前のようにオンラインで無料で検索をかけることができます。
そんな時代ですが、あえて紙の国語辞典をそばに置いておきたくなりました。
この国語辞典の良いところは、パラパラとめくっていくところにあると思っています。
ぱっと開いたページをなにげに見て、知らない言葉に出会った時。
あるいは、知っているつもりの言葉を「こんなふうに説明するんだ」と感心する時。
日本語の奥の深さを実感します。
「いや、ヒマじゃないんだけど、ヒマつぶしに読むと面白いんだよ。」
クリニックのスタッフに買ったばかりの国語辞典をちょっとだけ自慢しました。
生きた知識に触れた気になってくるのです。なんちゃって!(笑)
【なん-ちゃって】(←なんて言っちゃって・などと言ってしまって)[俗語] 1〈連語〉いま言ったことを冗談のように思わせたいときに使うことば。2〈接頭〉みせかけの。それらしい。「―料理(=一見するとそれらしく見える料理)」