薬を飲むということ

 

外来で、患者さんのお話の中で比較的よくあるのが

「もう少し様子をみたいです。薬は飲みたくないので。」

というのがあります。

 

それは、血圧だったり脂質だったり、血糖の様子だったり、いろいろです。

いわゆる境界領域の方で、医者の方も(もう少し運動と食事に取り組んでくれれば、いいのだけれどなあ)と思っていることが多い方です。

異常値の振り幅が大きい方は、そういう悩み方はしません。コントロールをいかに早くして合併症が出ないようにするにはどうすればよいかと、頭のチャンネルが切り替わっているからです。

 

「薬は飲みたくない」という理由は様々でしょう。アレルギー体質で様々な薬剤で苦労してきた方ももちろんいらっしゃいます。

「薬を内服する」という、その人にとっては「非日常」がどうしても受け容れられないという方もいます。

ほかにもヒトさまざまです。

 

けれども、立ち止まって最初の目的を思い出してほしいのです。

医療機関(この場合はクリニック)を訪れた最初の目的というのは、「これからの人生を心身ともに健康でいつづけること。」ではないでしょうか。

薬は、その目的のための「手段」にしか過ぎません。

 

いつの間にか「薬を飲まない」ということが目的のようになってしまっている方が、たまにいらっしゃいます。

「薬を飲まなくても済むように、体重をコントロールする、食事に気をつける、運動する」など、モチベーションを高める材料としているのなら問題はないかも知れませんね。

けれども、いつまでも境界領域でうろうろしていて、静かに合併症が進行するような事態が続くのであれば、思い切って薬の内服もOKだと思います。

薬を手段として、将来的にも健康な状態を手に入れるのです。

 

「薬を飲み始めたら、一生飲まないといけないんでしょ。」と言う方がいます。

医者も、薬を飲ませることが目的ではありません。状態が良くなったら、もちろん中止することもあります。

医者も当事者である患者さんも、目的はひとつです。

 

一緒によく話し合っていきましょう。

 

 

八風吹けども動ぜず

 

八風吹けども動ぜず、天辺の月

 

禅語では、人の心を揺さぶる「風」には8つあると言います。

人と人との関わりの中で、心を惑わす8つの事柄です。

 

その8つを2つずつ並べてみますね。

「利」と「哀」

「毀」と「誉」

「称」と「譏」

「苦」と「楽」

 

「利」とは、意にかなうこと。「哀」とは、意に反すること。

「毀」とは、陰でけなすこと。「誉」とは陰でほめること。

「称」とは、目の前でほめること。「譏」とは、目の前でそしること。

「苦」とは、心身を苦しめること、「楽」とは、心身を喜ばすこと。

 

「快」と「苦」がどちらも煩悩であるという話を初めて聞いたとき、一瞬とまどいながらもなるほどと納得したことがあります。

初めは「快」のどこが煩悩なのだと思ったのですが、自己満足を求めて欲得に走り「もっともっと」と自己中心的な生き方に終始すれば、その先は地獄です。

この4種類の事柄も、全く相反する「風」となって人の心をゆらしていくものでしょう。

相反するからこそ揺れ幅が大きいとも言えます。

 

どんなに8つの強風に煽られようとも、天辺の月のように自分を見失わずに生きていたい。

人々の褒め言葉、悪口に翻弄されずに、平常心、信念を持って生きていこうとする言葉です。

 

 

不気味な熱帯低気圧

 

台風21号(Lan)が現在進行形で日本本土に向けて北上中です。

気象衛星の画像で確認すると、日本の形が消失してしまったように分厚い雲で覆われてしまっています。

各地の被害が心配です。

どうかお気をつけて、安全の確保を最優先にしてください。

 

そんな時に、米軍の気象情報では、熱帯低気圧が不気味に発達しそうだとの予想が出ていました。

まだ台風にもなっていない熱帯低気圧ですが、こちらも予想が外れてくれるように祈るばかりです。

 

台風21号(Lan)が接近中

 

台風21号(国際名Lan)が今日にでも沖縄地方に接近してきます。

中心気圧が950hPa、中心付近の最大風速が40m/s、最大瞬間風速が60m/sと予想されています。

今のところ沖縄本島への直撃はなさそうですが、それでも勢力を拡大しながら北上しているのは不気味です。

強風域に入るだけでも大きな影響を受けそうです。

 

ひまわり8号の衛星写真では、台風の大きさと雨雲の広がり、くっきりとした台風の目が尋常でないことを物語っています。

 

沖縄を抜けた後の、日本本土への影響も心配です。

今後の台風情報に、十分ご注意ください。

 

期日前投票に行ってきました

 

週末は東京への出張の予定があります。

台風の影響もあって、行けるかどうかが微妙なところです。

(土曜日に東京行きの飛行機が飛んだとしても、日曜日に帰りの便が飛ばない恐れがあります。)

 

どちらにしても、10月22日の投票日には仕事の都合で投票所へ行けない可能性が高いために、期日前投票をすることにしました。

今はすごいですね。おもろまちにあるサンエー・メインプレイスも期日前投票所になっていました。

駐車場にも困りませんし、買い物のついでに…という方もいるかも知れません。

 

私は仕事が終わって、夕方5時過ぎに行ったのですが、たくさんの人が列をつくっていました。

那覇市の職員が手際よく誘導してくれていたので、混乱せずに投票を済ませました。

 

メインプレイスのような場所をもっと活用すれば、若者の投票率もあがってくるかも知れませんね。

 

 

 

「うむいのふかさ」

 

沖縄県立中部病院の後期研修が終わって、内科医として最初に赴任したのが県立八重山病院でした。

 

石垣島で過ごした3年間で、個人的には長女と長男を授かりましたし、透析医としても八重山病院の経験を生かすことで専門医を取得しました。

当時の透析室スタッフは、今でも温かく親交を重ねてくれる間柄です。

 

八重山と言えば唄の島。

スタッフも芸達者どころか、三線や歌唄いにおいてはプロ級の腕前で、いつかCDデビューをするのではないかと思っていたら、いただきました!

 

 

やはり、しびれるような良い声です。

時々、聞いては八重山の風景を思い出します。

 

週末接近の台風

 

台風21号(Lan)は、勢力を拡大しながら、沖縄本島へと接近中です。

21日には中心気圧 920hPaまで勢力を拡大すると予想されています。

最大瞬間風速が、なんと70m/s!

本島に直撃すれば、どんなに大きな被害が出るかと不安になる大きさです。

 

日本近海の海水温をみると、その予想が妥当であると納得します。

 

なんとか被害が出ないようにと、祈るばかりです。

 

 

 

絵本「たべてあげる」

 

娘に「実は怖い絵本」として紹介してもらいました。

「夢オチだと思ってたら、違うんだよ~。」

 

 ふくべ あきひろ著 おおの こうへい絵

 

絵がはっきりとして可愛いだけに、「最後のお母さんの言葉が怖い!」とおののいていました。

へえ、そうなんだと私も早速「絵本ナビ」のアプリでためし読みしてみました。

 

以下は出版社からの内容紹介の記事です。

 

りょうたくんは、ピーマンが大嫌い。
「だれかかわりに食べてくれないかなー」。

すると、コップの後ろから小さいりょうたくんが出てきて、
ピーマンを食べてくれました。
りょうたくんは大喜び。

次の日も、嫌いなニンジンを食べてもらったりょうたくん。
イヤなものをどんどん食べてもらっているうちに………

“大変”なことになっちゃうのです!!

(絵本ナビのサイトから イラストをクリックすると絵本ナビの該当ページに飛びます。)

 

ネタバレになってしまわないように、これ以上内容には触れませんが、娘が言うように怖くて、面白かったです。

久しぶりの「ヒット」の読後感でした。

「これって、『世にも奇妙な物語』で通用するよね。って言うか、もしかしたらあるのかもね。」

「でしょ?絵本だけど、内容は容赦ないよね。」

 

細かい設定はもちろん違いますが、昔話の「うりこひめとあまのじゃく」を彷彿とさせる展開です。

怖くて面白い本が好きな方、そして読んだことのない方に、ぜひおすすめです。

台風21号ラン(嵐)発生

 

16日の深夜に台風21号が発生しました。

国際名はLan(ラン)。アメリカが担当した名称で、嵐が由来のようです。(アメリカなのに?と思ったのは私だけじゃないでしょうね。)

 

現在のところフィリピン東の海上にあって、西北西に向かっています。

気象庁の進路予報では「5日間」が最長なので、沖縄にどう接近してくるのかがわかりません。

ただし、海水温が高いので、非常に発達してくるだろうということは予測がつきます。

 

米軍の台風情報では、太平洋高気圧の縁に沿って、ぎりぎり沖縄にかするかかすらないかの予想のようです。

ヨーロッパの予報でも、同じような計算なんですね。(ヨーロッパのサイトでは動画で発信しています。)

 

秋台風はいつも被害が大きくなる傾向にあります。

今後の台風情報に気を付けたいと思います。