沖縄県のインフルエンザ流行状況(2019年第6週)

 

沖縄県の2019年第6週(2月4日~10日)のインフルエンザ流行状況の報告がされました。

 

詳しくはこちら → インフルエンザ関連情報

 

沖縄県全体の定点あたりの報告数は、35.50人。引き続き「インフルエンザ警報」発令中です。

 

 

保健所単位でも、県内の全保健所管内で警報基準値を上回っています。

 

 

新規発症の方は、毎日数人受診してきますし、やはり、さすがに「インフルエンザ警報」が発令中であることを実感させられます。

 

しかし、もちろん油断して良いものではありませんが、少しずつですが、ピークを過ぎてきている印象はあります。

 

天候が不安定な日が続きます。体調を崩しやすい季節といえます。

 

体調には十分気をつけて、予防に気をつけていきましょう。

 

 

小説「慟哭」

 

物語の形式自体に仕掛けがあるミステリーのことを「叙述ミステリー」といいます。

 

アガサ・クリスティの「アクロイド殺し」が有名ですね。

 

この作品は、物語の語り手自身が実は犯人だったという、挑戦的で意欲的、型破りな小説でした。

 

発表当時は「この手法はフェアなのか」と、かなり物議をかもし出したそうです。

 

いずれにせよ、推理小説の歴史上に残る作品として有名です。

 

つまりは、通常のミステリーは他の登場人物に対して犯人がしかけるトリックが肝なのですが、叙述ミステリーは作者が読者に対してしかける表現方法としてのトリックが主題なのです。

 

ですから、読者が「叙述ミステリー」と知らないで読むのと、知っていて構えて読むのとでは、インパクトがまったく違ってしまいます。

 

いわゆる「ネタバレ」が致命的であるのが、「叙述ミステリー」の難しいところだと思います。

 

その難しい試みを、作者は、特異な状況と人間の奥底に宿る(ある意味、普遍的な)闇を表現することで「読ませる」ことに成功しました。

 

事件の進行と犯人の心情の変化によって、次へ次へと読み進ませてしまう面白さがありました。

 

1993年の作品で、作者のデビュー作とのことです。

 

やはり、世相を反映した小説なのかと思いましたが、「後記」で「モデルは実在しない」ときっぱりと否定していました。

 

 慟哭 貫井徳郎著

 

 

いつの間にか1週間を切った!

 

このタイトルですぐにお察しされた方は、同志(?)なのかも知れませんね。

 

1週間を切ったというのは、今度の日曜日に行われる「おきなわマラソン」のことです。

 

昨年はNAHAマラソンは完走したものの、練習不足がたたって、おきなわマラソンは途中リタイアしてしまいました。

 

今回は再挑戦ということになります。

 

(身の程を知っていますから、おこがましくも「リベンジ」などとは言いません。)

 

前回とちょっと違うのは、スピードはともかくとして、月間100Kmのジョギングを1年間続けてきたことです。

 

体を動かすことに、抵抗もなくなってきました。

 

 

 

今日も、おきなわマラソンにエントリーしている知り合いの男性と固く握手をして、互いの健闘を誓いあいました。

 

口では勇ましいことを言っていますが、不安しかありません。

 

「楽しくいきましょう!」

 

最後は、結局それに尽きますね。

 

 

 

楽しみついでに、ジョギングの様子を動画に編集してみました。

 

音楽を入れると、私みたいなオジサンでも何となく格好がつく感じがするから不思議です(笑)。

 

 

 

 

長時間透析について

 

人は、あまりに慣れすぎると当然のこととして素通りしてしまうのですね。

私にとっては、それが「長時間透析」のようです。

 

先日、他院で血液透析をしている60歳台の方とお話する機会がありました。

「病院側にお願いして5時間してもらえるようになったんですよ。」

「ご自分から?」

「そうです。」

「どうしてですか?」

「待合室で患者同士の話で、時間を延ばしたほうがいいっていう話を聞いて。実は、なかなかこういった情報は入ってこないんですよね。」

「患者会の勉強会とか、行かないんですか?」

「私、入っていないから。透析のスタッフからも教えてくれなかったし。」

「そうなんですね。」

「ほかの患者も『今日は早く終わったから、良かった』って喜んでいるし。『違うだろ!』って思うんだけど。」

「よくご存知ですね。」

「1時間延ばしただけですけど、全然疲れの取れ方が違うのがわかります。」

「どのくらいかかりました?」

「私は2ヶ月ぐらいかな?2ヶ月ぐらいしたら、違いがわかってきました。」

「そうなんですね。」

「もっと早くやっておけば、動脈硬化もすすまなかったと思うんだけど。」

その方は透析歴20年を超えるのだそうです。

私たちのクリニックでも、クリニックに転入する前に私との面談を(時間の都合で)していない方はいまだに4時間の方もいます。

「転入してくるのなら、せっかくだから5時間からやってみたら?」

そう言ってすべての患者さんに「お試し」をすすめているのですが、申し訳ないことに透析時間のお話をされずに転入してしまう方が稀にいらっしゃいます。

「もったいないですね。」

先程の方が言いました。

「私の場合、どれだけの壁をクリアして、1時間の透析を延ばせたか…。病院がやってくれるのなら、喜んでやってみればいいのに、と思います。」

 

開業して6年が過ぎて、「長時間透析」が当然のクリニックで、私の方が慢心していたのかも知れません。

患者さん向けの発信は、まだまだ必要なのですね。

 

プロ野球キャンプ

 

沖縄では、プロ野球のキャンプが真っ盛りですね。

浦添市にもヤクルトスワローズがキャンプをはっています。

熱心なファンはチームに帯同して沖縄にやってきていますから、感心することしきりです。

(このような熱心さでひとつのスポーツチームを応援したことがない私には、目を丸くするばかりです。)

けれども、キャンプを見学すると、プロ野球選手の体つきや所作などを見るだけでも、ずっと見入ってしまうほど楽しいのですよね。

選手の一挙手一投足に視線を送ってしまいます。

(それこそ、バットを片付ける動作にも!笑)

今まであまりキャンプに行ったことがなかったのですが、これからは少しずつでも足を運びたいと思います。

 

 

 

「走る走る走る」

 

村山槐多(かいた)は日本の洋画家であり、詩人、作家です。

1919年、肺結核のため22歳の若さで亡くなりました。

その詩集は、死後、友人たちの手によって編集されたものです。

その詩は、真っ直ぐで生き生きとしたエネルギーの塊のような詩です。

タイトルはわからないのですが、「走る走る走る」で始まる詩を紹介しますね。

*

走る走る走る

黄金の小僧ただ一人

入日の中を走る、走る走る

ぴかぴかとくらくらと

入日の中へとぶ様に走る走る

走れ小僧

金の小僧

走る走る走る

走れ金の小僧。

 

*

自分の思いをその黄金(こがね)の小僧の走る姿に託しているのでしょうか。

小僧の姿がオレンジ色のシルエットとなって、太陽の光を背景に躍動している様子が浮かびます。

私の大好きな詩です。

 

 

下は自画像。

 

Murayama Kaita self-portrait

映画「マスカレード・ホテル」

 

先日、映画「マスカレード・ホテル」を観てきました。

人間を丁寧に描くスタイルは、原作の東野圭吾さんの面目躍如といった感がありましたし、すっきりとしたミステリーに仕上がっていて、映画としても面白かったです。

東野圭吾大ファンの娘からの受け売りですが、「マスカレード・ホテル」は「マスカレード・シリーズ」の第一作目なのですね。

娘いわく「今ごろ映画化?って感じ」だそうです。

たしかに、「マスカレード・ホテル」は2011年の作品なのですね。

「マスカレード・イブ」「マスカレード・ナイト」と続いていて、舞台は「ホテル・コルテシア東京」という一流ホテル。

「マスカレード・ホテル」は複数のドラマが交差した群像劇として描かれながら、ラストに向けてメインとなる事件がクライマックスを迎えていきます。

映画の中で次に語られる言葉が印象的でした。

「ホテルに来る人々はお客様という仮面を被っている。ホテルマンはそれを剥がそうとしてはならない。」

これがこの映画をミステリーたらしめている裏テーマなのだと思います。

仮面を被った人間が何を思い(企み)何を目的にそこへ訪れるのか。

「決して剥がそうとしてはならない」を信条とするホテルマンと、人を性悪説で疑ってかかる刑事とは、ともに相容れないものであって、ぶつかりあっても仕方がないものともいえます。

けれども、捜査がすすむにつれて互いを信頼しあうまでのエピソードは丹念に描かれており、十分に見応えのあるものでした。

三部作すべての原作を読んでみたくなりました。

映画の方もシリーズ化されるのかも知れませんね。

 

 

 

 

「孤島パズル」

 

もちろん、無理に分ける必要はないのでしょうが、ジャンルとしては「クローズド・サークル・ミステリー」ということになりますね。

 

「クローズド・サークル」というのは、何らかの事情で外界との行き来が断絶した状況のことを言います。

 

文字通り、閉ざされた空間で起こった事件を扱ったミステリーのこと。

 
  「孤島パズル」有栖川 有栖著

 

舞台は孤島。奄美大島に近い嘉敷島(架空の島)。

 

台風が近づいているため、迎えの船が来るまで島ひとつが大きな密室というわけです。

 

ネットにあった、この作品の紹介文を掲載します。

 

(ここから)

英都大学推理小説研究会に新風を吹き込んだ彼女(マリア)が「伯父の別荘へ行かない?」と誘った孤島の夏。メインテーマは宝捜し(パズル)。みごと解ければ推理研の面目躍如、波涛を越えて時価数億円のダイヤが眠る嘉敷島へやってきた江神二郎とアリスは、楽しむ間もなく起こった事件に巻き込まれてしまう。毎年同じころ島に会する人々に密やかな翳りが根ざしているのか、南国の陽光と青い海、降るような星空を背景に幕間のない悲劇が進行していく。――ここにパズルがある。どうかあなたの手でこの小宇宙に秩序をもたらしていただきたい――〈読者への挑戦〉が興を添え、青き春を謳うロマンティシズムが錦上に花を敷く、極上の本格ミステリ。

(ここまで)

 

罪を犯す人には、その人が背負わなければならなかった宿命があり、また、それをすべて包み込んで犯人を理解しようとする探偵がいます。

「クローズド・サークル」の醍醐味は、登場人物の中に必ず犯人はいるはずで、しかも皆が一様に容疑者であるのにも関わらず、事件が連続して起こってしまうこと。

〈読者への挑戦〉は、事件が起こったその瞬間からなされているとも言えます。

「この人物があやしい」

読者は思い思いに推理をめぐらせながら、結末へと進んでいくのです。

 

私にとって有栖川有栖さんに初めて触れた本だったのですが、「江神シリーズ」とありますから、ほかの作品もさっそく読んでみたくなりました。

 

 

当院の「インフルエンザ予防接種」と流行状況 第5週について

 

沖縄県の第5週(1月28日~2月3日)のインフルエンザ流行状況の発表がありました。

沖縄県全体の定点あたり報告数は47.14人で、「インフルエンザ警報」発令中です。

保健所単位では、前週にひきつづき県内全保健所管内で警報基準値を上回っている状況です。

外来でも、いっときのように、受診する方ほぼ全員が発熱…という感じではなくなってきました。

しかし、それでも「午前中はつらくて寝ていたから受診できなかった」「早く受診しすぎると、診断がつかないって聞いたから、家で我慢していた」という方もいたりして、医療機関が把握している報告者数と実際のインフルエンザ罹患者数には、どうしても埋められない「差」があります。

それを差し置いても、終息に向かっているんじゃないかという「肌感覚」の印象があります。

*

当院では、今冬のインフルエンザ・ワクチンの予防接種を2月末まで行うこととしました。

浦添市の高齢者の方を対象にしたインフルエンザ予防接種の接種費用の一部公費負担の制度が、2月28日までとなっているというのもありますが、やはり一人でも多くの方に予防接種の機会を提供したいと考えたからです。

予防接種をまだの方は、お早めにお願いします。

(ワクチンがなくなった時点で、2月28日を前に終了することがあります。ご了承ください。)

 

 

ペットボトル症候群

 

脱水についてたくさんの注意喚起がなされてきました。

 

その甲斐あって、水分をとることの重要性が人々に浸透してきているように思います。

 

スポーツドリンクや経口補水液などが市販されていますから、容易に補給も可能になっています。

 

おおまかに言って、経口補水液とはナトリウムなどミネラル成分を含んだものです。

 

イメージとしては、下痢や発熱などで体内の水分が失われた時に、点滴で行う補液を、経口で摂ることができるものだと考えればわかりやすいかも知れませんね。

 

そして一方で、スポーツドリンクはまさにスポーツをしている人が、スポーツの最中に補うものです。

 

経口補水液と大きく違うのは、エネルギー源であるブドウ糖が含まれていること。

 

これが実は大きな問題を引き起こすことがあります。

 

「ペットボトル症候群」という言葉を聞いたことがあるでしょう。

 

これは、スポーツドリンクを毎日大量に飲み続けた人が、体内に入った大量のブドウ糖の影響で高血糖の状態を引き起こし、ついには糖尿病を患ってしまうことを言います。

 

スポーツドリンクを飲むのなら、スポーツをしている時だと決めたほうがいいでしょう。

 

そして、スポーツをしているときでも、一度に大量に飲むのではなくて、水と交互に飲むか、半分にうすめてもいいと思います。

 

自分の何気ない習慣で糖尿病を引き起こしてしまうことがあります。くれぐれも気をつけましょう。