テンパズル (あるいはmake 10)

 

運転の渋滞中など、前方の自動車のナンバープレートに自然に目がいきます。

正確には、そこに並ぶ4つの数字を見てしまいます。

特に語呂合わせも大好きなのですが、それはまた別の機会に。

 

今日は、つい癖でやってしまう「ヒマつぶし」のお話です。

ヒマつぶしでも、ちょっとした頭の体操にはなります。

 

ナンバープレートの4つの数字を、足し算(+)、引き算(-)、掛け算(×)、割り算(÷)して

ちょうど「10」になるように計算式を組み立てるという遊びです。

 

たとえば、下のようなナンバープレートがあったとします。

(作画ソフトでつくってみました。架空のナンバープレートです。経塚ナンバーなんてありませんよ(笑)。)

ナンバープレート 

 この場合だと、「6」「4」「8」「7」ですから

6+4=10

8-7=1

10×1=10

 

6と4ですでに10になってしまっていますが、8と7もちゃんと使わなくてはいけません。

 

ほかのやり方としては

4×8=32

6×7=42

42-32=10

っていうのでもありです。

 

私の長女もこの遊びをしていて、二人でしばしの沈黙の後

「あれは無理」

本当に残念そうにため息をつきます。

 

知らなかったのですが、実はこの遊びには名前がちゃんとあって

テンパズルとかMake10(メイクテン)

と呼ぶそうなんですね。

 

渋滞中におすすめです。

 

 

「追撃の森」

 

前回の出張の機上のおともは、ジェフリー・ディーヴァーの「追撃の森」でした。

 

 

ジェフリー・ディーバーといえば、リンカーン・ライムやキャサリン・ダンス、ジョン・ぺラムなどを主人公とするシリーズものが代名詞ですね。

けれどもノンシリーズ作品と呼ばれているものがあり、登場人物の扱いがシリーズではありえないように展開されるので、かなりしびれます。

読者はいつものように例え悪役であろうとも、感情移入し(ちょうどウォッチ・メーカーのように)ファンになってしまっているのですが

ノンシリーズ作品では、あっさりと終焉を迎えたりもします。

あまりにあっさりとしすぎているので、いつものように何かウラがあるのではないかと勘繰るほどです。

 

 

シリーズものだと主役級であればあるほどいなくなるわけにはいきません。

次回作にもそのキャラを立てて活躍してほしい。

読者はそう期待してしまいます。

それがノンシリーズでは何度も再登場できるようなキャラクターではないのです。

 

ある特殊状況下であるからこその行動。

登場人物が特殊な能力者ではないということに気づかされます。

 

この作品の舞台は、誰もいない奥深い夜の森。

2人の殺し屋とその魔手から逃れようとする2人の女性の死闘を描いています。

 

 

もちろん、ディーバー作品特有のどんでん返しに次ぐどんでん返しの連続というのは言うまでもありません。

読者はいつも欺かれ、けれどもそれはいつでも嬉しい驚きなのです。

 

 

 

薬とグレープフルーツ

 

 

薬との飲み合わせに気をつけないといけない代表的な食べ物にグレープフルーツがあります。

果実はもちろん、グレープフルーツジュースでも、薬の血中濃度が上がる可能性があります。

 

同時じゃなくて時間をずらせれば大丈夫?という疑問もあるでしょうが

その効果は2,3日続くと言われていますから、影響を受ける薬を処方されたら口にしないようにすることが大切です。

処方されたお薬で、「グレープフルーツ」についての説明を受けた方はたくさんいらっしゃるでしょうね。

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なぜ、グレープフルーツにそのような相互作用があるのでしょう。

みかんやオレンジ、レモンはどうでしょうか。

 

 

薬は内服すると、もちろん消化管から吸収されます。

吸収されて血液の中に入り、それぞれが薬の効果を現すのですが、薬といえども体の中に入った物質は異物です。

体にとって良いものを薬と言っていますが、薬と毒は本来区別されるものではない異物なのですね。

 

吸収された薬は主に肝臓で、代謝されてその効果を失います。

実は肝臓だけでなく、吸収される前にすでに消化管の中で代謝(解毒)が始まっているのです。

 

 

生き物の側から考えると、異物が消化管の中に入ったら、できるだけ吸収させないようにする防御機構があっても不思議ではないのかも知れませんね。

ですから、薬は(毒物も)ある程度効果を失ってから、吸収されています。

これが生き物として正常な状態です。

 

 

薬の用量は、有効な血中濃度が保てるように設定されています。

ちょうど良い血中濃度になるように、正常成人で普通の状態で血液検査をしたうえで決められたものです。

 

そこに消化管の代謝(解毒)を邪魔するようなものがあったとしたらどうでしょう。

効果を失う分も効果を保ったまま吸収されてしまうことになります。

 

 

たとえば、内服する時は用量100の薬があったとします。

消化管で代謝(解毒)されて50になりました。

50が吸収されて、薬として作用します。

この薬は、有効に作用するのに50あれば十分というわけです。

 

 

グレープフルーツの中にある成分(フラノクマリン類)が、代謝(解毒)を邪魔することがわかっています。

たとえば、内服する時は用量100の薬。

消化管で代謝されるはずが、グレープフルーツの影響で代謝されずに100のままで吸収された。

血中濃度が通常の倍になってしまう計算です。

 

 

このフラノクマリン類という成分は、みかんやオレンジ、レモンには含まれていません。

ただし、ザボンなどには含まれているので、グレープフルーツだけがダメというわけではないということは理解していた方が良いでしょう。

 

ご自分のお薬が、グレープフルーツの影響を受けるものなのかどうか

もう一度確認しても良いですね。

ウィンザー&ニュートン「ハーフパン12色 ポケットボックスセット」

 

 

出張のおともは

ウィンザー&ニュートンの「ハーフパン12色 ポケットボックスセット」

 

フタを開けると、12色のキューブ状の固形絵の具と細筆が入っています。

固形絵の具は思いのほか、色彩の発色がきれいに紙に乗ります。

折りたたむと横6センチ×縦13センチ 厚さ2センチ。

コンパクトで荷物にならないのも重宝しています。

 

 

窓から見える風景を描こうと思っていたのですが、すでに夜遅く

ほぼ日手帳に、「真っ黒」を塗りたくってもなあと思ったので

ホテルの部屋にあったお菓子のパッケージをスケッチしてみました。

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 こういう何でもない時間も、自分にとっては時々必要だと感じます。

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夏のインフルエンザ

 

 

日本臨床内科医会のインフルエンザ研究に調査協力している関係もあって

第11回インフルエンザ夏季セミナーに参加してきました。

 

演題には、インフルエンザ研究班から

「インフルエンザウイルスの感染期間について」

「2012-2013年シーズンの日臨内インフルエンザ研究成績より-ワクチンおよび抗インフルエンザ薬の有用性-」

など、これからの日常診療に大変参考になる内容でした。

 

また特別講演に国立感染症研究所 インフルエンザウイルス研究センター センター長の田代眞人先生

「パンデミックインフルエンザへの事前準備と緊急対応体制の再構築」

勉強になるお話が盛りだくさんで、感動的ですらありました。

特に、H5N1のお話は知らないことばかりで、そこのアンテナがなかったことに危機感を覚えました。

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沖縄県では「夏に流行するインフルエンザがある」ということがわかってきています。

学校や会社、病院など、人が密集する場所に流行する傾向があるのは当然で、毎年問題になっています。

 

より国内外の観光旅行者を受け入れるようになった最近の話かとも思うのですが

個人的には、沖縄では以前から「夏かぜは重くなるし長引く」と言われていたものが

実はその中にインフルエンザが混ざっていたのではなかったかと思っています。

(あくまでも根拠もない個人的な感想です。)

 

インフルエンザ迅速検査キットが普及し、インフルエンザの診断が容易になったということが

夏のインフルエンザを表面化させてくれたのではないかと思うのです。

 

 

いずれにせよ、沖縄の夏のインフルエンザ流行の正体が暴かれることを願っています。

(田代先生がお話した北米のH3N2vのケースと似ている気がしたのですが、考えすぎでしょうか。)

 

「私、インフルエンザのワクチンを受けたんですけど…」

と発熱の患者さんに言われて

「夏のインフルエンザは冬に流行っていたものと違うのかも知れなくて、そのワクチン、効いてないかも知れないです。」

そう説明を受けたときの患者さんの「???」の表情は、きっと熱のせいだけではないですから。

 

 

第2回 オーバーナイト・在宅血液透析の勉強会&意見交換会のお知らせ(第2報)

 

 

気がついたら開催予定日まで2週間を切ってしまっていました。

最近はいろいろなことが立て続けに起こり、すごく充実した日を送らせていただいています。

 

 

さて、勉強会&意見交換会のお知らせを重ねてさせてください。

第2回 オーバーナイト・在宅血液透析の勉強会&意見交換会を行います。

月日:2013年8月1日(木)

時間:午後6時半~7時半

 

対象を、透析を受けられている方とそのご家族、医療従事者、オーバーナイト透析や在宅血液透析に関心のある方なら誰でも参加自由とさせていただいています。

第1回よりも多くの方のご意見が聴けるものと楽しみにしています。

 

参加は自由ですが、会場設営の参考にさせていただきますので

もしよろしければクリニックまでご一報いただければ幸いです。

よろしくお願いします。

オーバーナイト 在宅血液透析勉強会 案内

鎮痛薬で血糖値が下がる 文献から

 

鎮痛薬を服用すると、副作用として低血糖発作が出現するというのはよく知られていることです。

 

たとえば、糖尿病で治療薬を服用している方が、ボルタレンやロキソニンなどの鎮痛薬を飲むと

予想外に血糖が下がってしまい、時に低血糖発作で意識を失うことになるので注意しなければなりません。

 

しかし、その相互作用を逆手にとって、鎮痛薬を糖尿病の治療につかえないかと再検討した方々がいました。

Salicylate (Salsalate) in Patients With Type 2 Diabetes: A Randomized Trial

Ann Intern Med. 2013;159(1):1-12. doi:10.7326/0003-4819-159-1-201307020-00003

 

ただし、サルサレートというお薬は日本では発売されていません。

説明では古くからある鎮痛剤のなかのひとつらしいです。

 

 

参加者は18~75歳の2型糖尿病患者286例。

1日3.5gのサルサレートを服用したグループと、服用していないプラセボ・グループの2つのグループに分けて48週間追跡しました。

糖尿病のコントロールの指標であるHbA1c(ヘモグロビンA1c)は平均7.0~9.5%でした。

登録の時点で治療薬として投薬されている糖尿病薬や降圧薬、高脂血症の薬は6カ月間は変更しないように継続してもらいました。

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48週間後の結果です。

サルサレートを内服したグループはプラセボ群に比べてHbA1cは0.37%低下していたそうです。

なぜか白血球数の減少も認められていて、炎症が改善されたのではないかとのことですが確かではありません。

ただし、サルサレートを服用していたグループには良くない効果も現れていました。

体重増加(わずか1.36Kgですが)とLDLコレステロール値の上昇です。

また、これはよく心配されることですが、腎機能に及ぼす影響もみられました。

腎機能低下を示唆する尿中アルブミン値の上昇も確認されていました。

中止すると、また元に戻る一過性の影響だったようですが、鎮痛剤を使用するうえで腎機能との関連は特に注意を要する問題です。

 

今のところ、鎮痛薬を糖尿病治療薬とするというよりも

前述のとおり、低血糖発作に注意するように呼びかけることの方が重要な気がします。

 

 

浦添市医師会学術講演会に参加してきました

 

7月17日には浦添市医師会学術講演会がありました。

浦添総合病院救命救急センター長 八木正晴先生のお話でした。

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特別講演の演題は「浦添総合病院救命救急センターの現状と今後」

 

浦添総合病院は、ドクターヘリ運航病院であり、ドクターカーも運営しています。

八木先生は講演の中でカーラーの救命曲線を提示しました。

カーラーの救命曲線

カーラーの救命曲線は、人間が呼吸や心臓の停止、大量の出血などの緊急事態に置かれた場合の経過時間と死亡率の関係をおおまかに示したものです。

現在、救急車を要請して実際に患者さんが浦添総合病院に到着するまでの時間は平均30分間だそうです。

30分だと多量出血の場合で、約50%の死亡率であるという結果です。

それを克服するために、いかに迅速に病院前医療を行うかということにも力を注いでいる病院です。

 

また、どの救急病院もそうですが、満床が続き

どのようにして医療資源を有効活用していくかということにも触れ

広い視野に立っての提言もしていただきました。

実はこの会の座長を仰せつかっていたのですが、質疑応答は活発で時間が超過するほどでした。

 

沖縄県立中部病院の出身で、直近まで那覇市立病院に勤務していた私にとっては

浦添市の救急医療の実情を知る良い機会となりました。

これから、顔が見える連携でますます患者さんに貢献できると思います。

 

 

黒澤明 「生きる」

 

「生きる」

言わずと知れた黒澤明監督の代表作です。

市役所の市民課長を務めている男性の人生を描いています。

無気力でハンコを押すだけで、事なかれ主義を絵にかいたような毎日。

 

 

ある日、胃の調子が悪くて検査をしてもらった後に医者から「胃潰瘍」だと言われた男性。

けれども彼はガンであることを自分で確信しています。

 

シナリオが巧みで、この映画の命題がさらっと登場します。

男性が帰った後、若い医者に主治医が声をかけるのです。

「もし、君がね、あの人のようにもう4ヶ月しか命がないとしたら、いったいどんなことをする?」

 

何をすれば良いかさまよい歩く男性の前に 屈託のない若い女性の「とよ」が言います。

「課長さんも何か、作ってみたら?」

 

命の尺を知っているからこそ、それからの男性は鬼気迫るものがあります。

かつて主婦たちが子どもたちのために、汚水溜めの場所をなんとか公園にできないかと陳情していたことを思い出したのです。

やくざにからまれても粘り強くあきらめません。

自分がどう思われようともひたすら前に進みます。

 

そして、ラスト。

雪の降る夜。

ブランコに揺れながら笑みを浮かべて歌を口ずさむ男性。

 

いのち短し 恋せよ乙女

(略)

心の炎 消えぬ間に 今日は再び来ぬものを

 

 

男性は「死を目の前にして、人のために全力を尽くす」生き方を選びました。

「生きる」ということの黒澤監督のメッセージが温かく力強いです。

時々、見直して「よしっ」って力をもらうんですね。

 

 

 

新しく入職してくれた方々の歓迎会

 

 

先週の土曜日はクリニック新入職者の歓迎会でした。

 

新しいメンバーを加えての会は、やはりワクワク楽しいものです。

会も終盤に、スケッチブックを用意したので、スタッフみんなに寄せ書きを書いてもらいました。

 

誰に贈るというものではなく、強いて言えばこの場に集った自分たちへのメッセージ。

お酒が入っているからでしょう。

文字や絵が飛び跳ねてしまっています(笑)。

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誰が書いたのか、寄せ書きの中にありました。

愛のあるクリニックにしよう!!

 

そういうクリニックになりますように。