親密な距離感

 

人の距離感というのを考えさせられる写真の数々です。

ニューヨークの写真家 リチャード・レナルディ(Richard Renaldi) はその場にいた “見知らぬ人” たちを説得。最初はお互い距離を置いて撮影した後、わずか10分間の間に親密なポーズを徐々にとらせて撮影したシリーズ「Touching Strangers」

 

これらの写真に浮き彫りになっている「ぎこちなさ」って何なのでしょう。

相手の顔を直視しない視線?

腕の角度?

掌の向き?

相手の体に触れているのに、1mmたりとも動かしちゃいけないと緊張している手?

いわゆる「ガチガチ」なんですね(笑)

 

これを見て「自然に立ち居振る舞う」って、当たり前ですが「自然に呼吸している」ことなんだなって思いました。

 

「空気のように普通」の関係って「普通に呼吸」していることですよね。

意識しないところで、普通に呼吸をしていられる。

 

そういう関係って、すごく大事にしなければならないですね。

今さら言うことでもないのでしょうが、しみじみ思ってしまいました。

 

当直衣

 

いつものように月曜日の夜がやってきました(笑)

いつものようにオーバーナイト透析の日です。

 

当直のために、中部病院を退職する時にプレゼントしてもらったスクラブをクリニックに持ち込みました。

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スクラブというのは、医療者の作業着のようなもの。

白衣とは違って、もっと活動的な衣服です。

 

スクラブ(scrub)はもともとは「ごしごし洗濯する」という意味。

強く洗っても丈夫で、清潔な活動服として医療従事者に広まりました。

最近の医療ドラマの登場人物たちはほとんどがスクラブですものね。

 

基地の中のクリニックで働いている私の友達のナースは、これを何十着も持っているそうです。

値段が安いというのもあるんですが、デザインを楽しめるんですね。

今のシーズンならハロウィン仕様のスクラブとかもあるそうです。

 

中部病院の退職記念にいただいたスクラブは中部病院のロゴマークのワッペンつき。

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縁起をかついで、これを当直のたびに着るようにしています。

(昼間はケーシーの白衣。)

 

最近、「先生が着ているのって動きやすそう」ということでクリニックのスタッフもまとめてオーダーしたようです。

 

いろんなデザインを楽しむのもいいですね。

クリスマス・バージョンとかあったら面白いかも。

 

 

Now You See Me 「グランド・イリュージョン」

 

久しぶりに映画を観てきました。

最近、上映している映画でやはり目当ては

「グランド・イリュージョン」

オフィシャルサイト
http://www.grandillusion.jp/

 

illusion01

 

映画の宣伝文がこちら

 

4人のスーパーイリュージョニストグループ ” the Four Horseman “。

彼らはラスベガスでショーをしながら遠く離れたパリの銀行から金を奪い、観客を驚かせた。

このことでFBIとインターポールから追われることになったHorsemanたち。

しかし彼らは誰よりも上をいっていた…。

彼らはどうやって金を盗んだのか?

彼らの目的はいったい何なのか?

最後のショーが終わるとき、すべてのトリックが暴かれる。

 

驚愕の映像トリックのイリュージョンと、予測できないストーリートリック、そして痛快なエンディングが待ち受けるエンターテイメント大作! 

マジックのルール:誰よりも利口になれ

 

いやあ。面白かったです。

マジックはやっぱり最高ですね。

the closer you look, the less you see.

 

 

 

 

ムツゴロウさんと私

 

中学の頃、ムツゴロウさんの本にどっぷりと浸かっていました。

ちょうど文藝春秋社から「畑正憲作品集」が出た時期で、それを毎巻買い揃えながら、ムツゴロウさんの文章に浸りきっていました。

そもそもが学校の図書館に「ムツゴロウの絵本2 ヒグマの巻」があって、それを偶然に手にしたのがきっかけでした。

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夢と理想を実現するために北海道の無人島「嶮暮帰島」に移住してヒグマの子と暮らしたり

世に知れた「動物王国」を建国したり。

 

佐久田少年にとって、ムツさんの生き様は衝撃的で憧憬の的だったのです。

やることなすこと生命力に溢れていましたし、損やリスクを承知で飛び込む潔さにしびれました。

 

この間、実家に帰った時に自分の部屋の本棚にあった「畑正憲作品集」を全部運んできて院長室の本棚に並べました。

 

ぱらぱらと本をめくりながら、ふと我に返って

「俺ってもしかして今もムツさんの真似してるのかなあ。」

 

中学時代に抱いた憧れが、ずっと続いているのかも知れないと気づいたのです。

それもまんざらでもないなと思いながら、ひとり笑っていました。

何を真似してるのかはもちろん恥ずかしくて言えませんが。

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早足で歩く女性は病気にかかりにくい 文献から

 

アンチエイジング医学会主催の講習会で

湘南鎌倉総合病院 形成外科・美容外科の山下理絵先生の講義で紹介していただきました。

 

早足の女性は病気にかかりにくい。

Physical Activity at Midlife in Relation to Successful Survival in Women at Age 70 Years or Older

Arch Intern Med. 2010;170(2):194-201.

 

興味深いと思います。

内容を簡単に説明しますね。

 

対象は1万3千535人の女性。

研究開始時には30歳から55歳。

 

9年後に対象者の歩行速度を調べます。

その時の歩行速度と70歳になった時の、健康状態を調べたのです。

 

サクセスフルエイジングという言葉が出てきますが、これは重大疾患にかからないで心身ともに健康でいられる状態のことです。

そのサクセスフルエイジング達成度と歩行速度との関連を検討しました。

 

歩行速度が時速3.2Km未満の人を1とすると

(原文ではmphになっていますが、イメージしやすいように変換してみました。

1分間に50mと言ったら少し想像しやすいでしょうか。)

時速3.2Kmから4.8Km(同じく1分間に50mから80mの速度)が1.9倍

時速4.8Km以上(1分間に80m以上)が2.68倍

サクセスフルエイジング達成度が高いという結果が出たのです。

 

サクセスフルエイジングと歩行速度

 

つまり、早足の女性は心身ともに健康である。

ちょっと想像してみても、大股で颯爽と早足で歩く女性方というのは、メタボリックにも問題のない方のような気がしますものね。

 

総合的にも矛盾がない気がします。

 

 

sheepworld

 

この夏、沖縄国際ユースホステルの事業活動に

2013 ドイツ ザクセン州 子ども交流助成事業 日独子どもセミナーがありました。

 

夏休みを利用して子どもたちがドイツに行き、現地の子ども達と交流しながら学んでいくというものです。

ご縁があって次女が参加したのですが、言葉もほとんど通じないままに

ドイツで友達もでき、良い体験ができたようです。

(なぜか“アンペルマン”好きになって帰ってきました(笑))

 

先日から今度はドイツの子ども達が沖縄を訪れているようです。

早速おみやげをもってユースホステルに向かう次女を見て、嬉しく思いました。

 

写真はドイツからお土産のシナモン・フルーツ・ティー。

sheepworld

 

このキャラクターは日本でいうサンリオ・キャラのように人気のようです。

 

“sheepworld”というそうですから羊なんですね。

何とも言えないほのぼのとした感じが好まれるのは、どこも共通しているのかも知れません。

 

でも、台風が近づいているこの天気。

ドイツの子たちにはもっと沖縄らしい青い空と海を見せてあげたかったのですが。

 

 

ヘモダイアライシスプロダクト hemodialysis product:HDP

 

透析室では、月後半の採血が今週にありました。

中でも8時間のオーバーナイト透析をしている方々のデータは関心を集めました。

 

話は飛びますが

2002年にScribner先生とOreopoulos先生が

血液透析の適正さを表す hemodialysis Product:HDP という指標を提唱しました。

これは透析スケジュールに注目した指標で、1週間に行う透析の回数と透析時間だけで計算するものです。

HDP = (1週間の透析回数)2 × 1回の透析時間

 

The hemodialysis product (HDP): A better index of dialysis adequacy than Kt/V

BH Scribner, DG Oreopoulos – Dialysis and Transplantation, 2002

 

この文献に、HDPを説明する表があり、その数値と臨床的な意義を示しています。

下の表の、一番左側の数字が1回の透析時間

次の数字が1週間の透析回数

そしてその時のHDP値

一番右側にその臨床的な結果。

HDP table

 

明らかにフランスのタサン透析センターの成績を意識したもので、もちろんその結果を重視したものですが

これによると45がボーダーライン。72以上が適正だと言っています。

(タサン透析センターは長年週3回×8時間透析をしているところです。)

 

でも少し考えれば、HDP 72以上を達成するのはちょっとやそっとでは困難だということがわかりますね。

 

通常行われている透析スケジュールが、『週3回、1回4時間』ですから

32 × 4 = 36

この文献では、HDP 36 を「inadequate(不十分)」で「malnourished(栄養失調)」だと言っているのです。

 

6時間の週3回でも

32 × 6 = 54

HDP 72以上を達成するには週3回だと、8時間以上をしなければならないということになりますね。

 

それほどにHDP 72以上という数値が「adequate(十分)」なものなのでしょうか。

 

下のグラフは沖縄とタサン透析センターの透析患者の生存率を示したものです。

生存期間中央値で約5年の差があります。

 

tassin vs OKIDS

 

この実績がすべてを物語っているのですね。

 

 

台風27号 フランシスコ

 

台風27号フランシスコが24日には沖縄地方、その後日本列島に向かうと予想されています。

t27

 

大きな被害が出た26号の後で、しかも似たような進路だということで非常に緊張が走ります。

事前の備えをと言いますが、実際に被害のあった方々の心中を思うと何ともやるせない気持ちになります。

何とか逸れて欲しいと願うばかりです。

 

クリニックでも透析室のスタッフと24日に台風が直撃した場合の透析のスケジュールについて話し合いました。

木曜日を台風のためにやむを得ず臨時休業にした場合です。

 

例えば、金曜日を2クール行うことにして、まず1クール目に木曜日の方々の透析をしてもらう。

ただしこの方々は翌日土曜日もあって連日になりますから、短時間でお願いしてもらう。

2クール目に本来の金曜日の方々の透析を行う。

 

いくつかのパターンを検討して、準備していた方が良さそうです。

 

 

沖腎協の講演会でお話することになりました。

 

まだ先のお話ですが、11月17日(日)に沖腎協からお誘いを受けて

講演会の講師をすることになりました。

 

演題を何にしようかと悩んだのですが

「最近の透析を 先人から学ぶ」

できるだけシンプルにしたいと考えています。

 

クリニックに案内状とポスターが届きましたので、ご紹介します。

画像をクリックするとpdfファイルが開くように設定しました。(のつもりです。)

 

沖腎協案内

 

下がそのポスターです。

 

okijinkyoposter

 

 

 

カプチーノ と カフェラテ

 

気持ちを沈めたい時や、リセットしたい時には

私の場合、コーヒーを淹れます。

 

過去に本格的なエスプレッソ・マシンを購入しました。

スチームノズルも硬派で、それだけでいっぱしのバリスタになった気分になったものです。

 

試行錯誤してミルクのスチーミングも自画自賛するほどに手つきがさまになっていたのですよ(笑)

 

ハンドルを調整しながらノズルから蒸気を空ぶかし。

それからノズルの先を、ステンレス製のピッチャーに入れた冷たいミルクの底のほうにうずめて

対流がコントロール可能になったところでミルクの表面付近で空気を送り込みながら泡立てる。

もう一度、深いところにうずめて細かい泡をそろえていく。

エスプレッソのショットを入れて、おいしいカプチーノのできあがりです。

フレーバーシロップを1,2滴たらしても良いですね。

 

やはり手入れに時間がかかってしまうので、いつの間にか使わなくなってしまいました。

今は最近流行りのカプセル型のエスプレッソ・マシンでコーヒーを楽しんでいます。

 

一杯一杯が1個ないし2個のカプセルでおいしく淹れることができます。

簡単ですが、よく考えられています。

 

ミルクとエスプレッソの分量の細かい違いもあって、カプチーノとカフェラテの違いも出せます。

確認しますが、カプチーノは

エスプレッソ3+スチームドミルク3+フォームドミルク4

カフェラテは

エスプレッソ2+スチームドミルク8

 

スチームドミルクとは泡が立たないよう温めたミルクのこと 。

フォームドミルクとは蒸気で泡立てたミルクのこと。

 

ミルクのカプセルとエスプレッソのカプセルで、一杯のカプチーノが出来ます。

ちゃんとフォームドミルクになっているんですね。感心します。

私のささやかな楽しみのひとつです。