インフルエンザワクチンについて

 

昨日はある会社の予防注射をしてきました。

「ワクチンの接種を受けたのにインフルエンザにかかったことがあるのですが、ワクチンは効果があるのですか?」という質問は、よくあります。

そっくりそのままのQ&Aが厚生労働省のホームページにありますから、みなさんが感じて疑問に思っていることなのでしょう。

Answerは以下の通りでした。

インフルエンザにかかる時はインフルエンザウイルスが口や鼻から体の中に入ってくることから始まります。体の中に入ったウイルスは次に細胞に侵入して増殖します。この状態を「感染」といいますが、ワクチンはこれを抑える働きはありません。
 ウイルスが増えると、数日の潜伏期間を経て、発熱やのどの痛み等のインフルエンザの症状が起こります。この状態を「発症」といいます。ワクチンには、この発症を抑える効果が一定程度認められています。
 発症後、多くの方は1週間程度で回復しますが、中には肺炎や脳症等の重い合併症が現れ、入院治療を必要とする方や死亡される方もいます。これをインフルエンザの「重症化」といいます。特に基礎疾患のある方や御高齢の方では重症化する可能性が高いと考えられています。ワクチンの最も大きな効果は、この重症化を予防する効果です。
 ※厚生科学研究班による「インフルエンザワクチンの効果に関する研究(主任研究者:神谷齊(国立療養所三重病院))」の報告によると、65歳以上の健常な高齢者については約45%の発病を阻止し、約80%の死亡を阻止する効果があったと報告しています。

 以上のように、インフルエンザワクチンは、接種すればインフルエンザに絶対にかからない、というものではありませんが、ある程度の発病を阻止する効果があり、またたとえかかっても症状が重くなることを阻止する効果があります。ただし、この効果も100%ではないことに御留意ください。

(引用ここまで)

 

 

ちなみに、一昨年と昨年のインフルエンザの検出数のグラフは以下の通りです。

2012-2013

2013-2014

 

47週頃から検出数のグラフが顔を出してきているのがわかります。

ちなみに第47週というのは、だいたい11月の第4週目、11月17日から23日頃になります。

このあたりから増えてくるので、ワクチンの効果が現れてくるのが2週間ぐらいかかりますから、接種する時期としては今が良いのではないでしょうか。

今年の検出数のグラフは以下の通りです。検出数そのものがまだ少なくてスケールそのものが違いますが、これからの動向に注目したいと思います。

 

2014-2015

 

 

 

インフルエンザワクチンの予防接種を受けましょう

 

インフルエンザの予防接種をおすすめします。
インフルエンザは毎年流行します。

これはインフルエンザウイルスが毎年変異して、人が持っている免疫では対応できないからです。

 

インフルエンザワクチンは、どんなウイルスが流行するかを予測して、何種類もの型に対応するように作られています。

ですから、毎年定期的に予防注射を受けることをお勧めします。

 

予防接種を受けてもインフルエンザにかからないわけではないからワクチンは意味がないという方もいらっしゃいますが、予防接種を受けることは重症化を防ぎます。

また、インフルエンザワクチンが有効なのは、注射して2週間後ぐらいから。

効果が持続するのは約3か月から5か月と言われています。

 

できたら、11月中には受けましょう。

国立感染症研究所のサイトではインフルエンザ様疾患発生報告(学校欠席者数)があります。

平成26年10月20日~26日までの報告では、沖縄県の患者数は24人との報告がありました。

すでに流行のきざしが見えているのかも知れません。

 

http://youtu.be/nPb2uXcSngw

開院記念日

 

今日はさくだ内科クリニックの開院記念日です。

満2歳になります。
 
 

開業して思うのは、やはり曲がりなりにも医療者としてだけではなく「経営者」としての側面を持たなければならないこと。

勤務医時代にためた「やりたい医療の想い」を実現するために次のステップを踏み出したつもりでしたが、当然のことですが理想の実現には大きな壁がいくつも立ちふさがってきます。

それこそ、次から次へと。
 
 

特に苦しい時には「もう2年」というよりも「まだ2年」としか思いようがない時があります。
 
 

クリニックの経営が厳しいなかで、少しずつ前に進めているのはクリニックに集まってくれたスタッフ、業者の皆さん、そして、もちろん来院される患者さんとその家族の深い関わりに恵まれているからです。

「チムグクルの医療」を掲げて一番恩恵を受けているのは、実は人様の温かい「チムグクル」に触れて救われている佐久田自身なのだと思います。

感謝の念に堪えません。

2年間いただいた恩恵に報いるためにも、安心と信頼を得られる医療を目指してこれからも努力していきたいと思います。
 
 

どうぞこれからもよろしくお願いいたします。

 

 

尚巴志ハーフマラソン

 

さくだ内科クリニックにとって素晴らしいニュースが入りました。

クリニックでオーバーナイト透析をしている方が、尚巴志ハーフマラソンで完走したのです。

尚巴志ハーフマラソンは南城市で開催される文字通り21.0975kmのハーフマラソン。

ハーフマラソンといえども、かなりの高低差があり、ジョガーにとっては人気のマラソンです。

 マラソンコース

透析をしている方がマラソンを走る。

一見、無謀なお話に聞こえるかも知れませんが、日ごろの練習の調子をみて「彼なら大丈夫」という判断をさせていただきました。

マラソンを走りながらいろいろな想いが彼の頭をよぎり、「走ることのできる喜び」が胸にこみ上げてきたと言います。

オーバーナイト透析に移った時に言った彼のひとつの夢がかなった瞬間でもありました。

無事に完走してくれただけでも素晴らしいことだったのですが、なんと記録も2時間31分だったそうです。

 

おめでとう。

私たちが何より励まされました。

ありがとうございます。

 

 

 

 

「言いたくない言葉」

詩人の言葉は「救いの言葉」です。

ずっと昔から詩人の誰かが言葉として表現してくれた心情や風景が、私たちに色彩を与えてくれます。

詩人の言葉は生活に息づいて、やがて全体の感受性となってきます。

 

茨木のり子さんの詩は、私にとってそんな詩です。

例えば、次の詩。

じっと黙っている時の、あの頃の気持ちってこんなだったじゃないかって思い出してしまいました。

 

言いたくない言葉

 

心の底に 強い圧力をかけて

蔵(しま)ってある言葉

声に出せば

文字に記せば

たちまちに色褪せるだろう

 

それによって

私が立つところのもの

それによって

私が生かしめられているところの思念

 

人に伝えようとすれば

あまりに平凡すぎて

けっして伝わってはゆかないだろう

その人の気圧のなかでしか

生きられぬ言葉もある

 

一本の蝋燭のように

熾烈に燃えろ 燃えつきろ

自分勝手に

誰の眼にもふれずに

 

 

巣ごもりの時

くよくよ悩む人は同じことを頭の中でいつまでも繰り返す傾向にあります。

心配事が起きた時、それを個人的に降りかかることとしていつまでも反芻しながら考えています。

自分の無力感を痛感し、悲観主義でこりかためていくのです。

ネガティブさ加減は自分が一番よく知っていますから、そういう人は自分がネガティブであることをさらに責めてしまいます。

「やっぱり自分はだめだ。」

 

さて、そういう時はどうしましょう?

外に出るのも億劫です。少し運動した方がよいとわかっていますが、動きたくありません。

掃除しなきゃなと思っても、ずっと眺めているだけです。

ネットは意味もなくサイトからサイトへと渡っているだけ。

 

私はこれを「巣ごもりの時期」と名づけています。

ひきこもりとは少し違います。

巣にこもるだけこもって、外に出たくなるまでじっと待つ。

巣ごもりするのも疲れます。飽きてきます。

ずっと寝てると腰が痛くなってくるのと同じです。

なんとかしなきゃなと思います。それまでじっと待ちます。

 

そういう解決の仕方があってもよいと思うのです。

怒らないこと 2

 

 

 アルボムッレ・スマナラサーラ著

作者はスリランカ上座仏教の長老です。スリランカ生まれの方で、初期仏教の伝道に力を注いでいる方です。

 

この本では人はなぜ怒るのか?怒りの起源から生命とはなにか、人生とはなにかということを深く分け入って説いてくれています。

特に仏教では怒りを10種類に分類してとらえているのですね。

1. ドーサ(dosa) 基本的な怒り

2. ヴェーラ(vera) 激怒

3. ウパナーハ(Upanaha) 怨み

4. マッカ(Makkha) 軽視

5. パラーサ(Palasa) 張り合い

6. イッサー(Issa) 嫉妬

7. マッチャリヤ(Macchariya) 物惜しみ

8. ドゥッバチャ(Dubbaca) 反抗心

9. クックッチャ(Kukkucca) 後悔

10. ビャーパーダ(Byapada) 激怒

どれも勉強になるのですが、4.のMakkhaは、「欠点を探してやるぞ。嫌なところを探してやるぞ」という心。だから常に気分が悪い。

いわゆる「相手の弱点や欠点を見たい」というアラ探しの怒り。

このように自分の怒りの種類を細かく観察することで、怒りを発見することができますし、分析することもできます。

 

本書の「はじめに」の文章が「怒らないこと」の重要性を示してくれていますので引用してご紹介します。

 

怒らないこと。それは人生を幸せに生きるために欠かせない、大切な心構えです。

しかし、「怒ることは悪い。だから怒らないようにしよう」と頭ではわかっていても、実際はそうなりません。

「怒る」ということは、そうとうに根深い問題なのです。

この本でお話ししようとすることは、「怒らないこと」というのは、実は人が生涯をかけるにふさわしい、人生の目標とするに値するテーマなのだということです。

(中略)

世の中はおかしなことに、「怒るのはよくない」と言っている言葉とは裏腹です。

本当のところでは「怒りは悪である」と、きちんとわかっていないのです。世間の本音は「いざとなったら怒るのもしょうがない。それで解決することもある」というものです。

しかし、心の科学である仏教の立場から言わせていただくなら、「どんな怒りであろうと、怒りによる行為の結果は、かならず不幸である」ということです。

(中略)

怒りは、智慧と理解で克服するものです。我慢するもの、押さえつけるものではありません。

怒りの克服とは、幸福になるプロセス、自分が成長できるプロセスです。

それを一歩、一歩、進んでいくことです。

 

本書の中でポイントとして「怒りでやることは、なんでも失敗する」ということを示していました。

思い返せば確かにそうです。

義憤に駆られて行動を起こしたつもりでも、誰かがかならず不幸になっています。

何より自分が暗くて気持ち悪く、後で強い後悔に苛まれるのがオチです。

 

決めつけないことが大切ですね。

人の心について、私は何もわかっていないようです。

もっと学んでみたいと思いました。

 

 

 

長時間透析の良さを知ってもらう

 

昨日は吉クリニックさんとの「長時間透析勉強会」でした。

約1年ぶりの再会だったのですが、それぞれのクリニックの取り組みを発表し確認することができて良かったと思います。

吉クリニックさんの「良い透析」にこだわり続ける姿勢は、良い刺激を受けました。

 

今後は、2院だけにとどまらず、良いと信じるものは発信したいという思いもあって「研究会」に発展させようということになりました。

第3回は広く呼びかけたいと思いますので、よろしくお願いします。

 

 

長時間透析数の変化

 

 

 

「第2回長時間透析勉強会」

 

今日、楽しみにしている勉強会があります。

吉クリニックさんとの2院勉強会である「第2回長時間透析勉強会」です。

実は台風の影響でのびのびになっていて、今回それがやっと実現します。

前回の第1回は2013年11月21日でした。その時のブログがあります。

「吉クリニックさんとの合同勉強会」

「長時間透析の勉強会」

 

Q&Aコーナーで、私たちは吉先生にこう質問しました。

「吉先生が長時間透析をしようとしたきっかけはなんだったんですか?」

吉先生の答えはこうでした。

「長期の合併症で痛がる透析患者さんを見ていると、関節リウマチの患者さんが関節の炎症がひかずに痛がっているのと同じだと思った。

とにかく出来る時に出来るかぎりの良い透析をしたいと思ったのがきっかけ。」

「患者のために良いことをする」という言葉は、今でも印象深く心に残っています。

 

また交流できる機会が設けられたことに感謝です。

 

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在宅血液透析講演会のお知らせ

 

実は1ヶ月を切ってしまっているので、少々驚いています。

最近は本当に時間が経つのが早いですね。

(自分ののんびりさ加減をそこに持っていくのはいけないと思ってはいるのですが。)

 

主催者の中に、さくだ内科クリニックの名前も入っていますから、きちんと宣伝させてください。

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11月23日(日)に、坂井瑠実先生、古薗勉さん、永間路子さんを講師陣にお迎えして、一般公開の講演として

「在宅血液透析講演会」

を開催します。

 

お時間のある方、お近くの方は是非お越しください。