「沖縄も寒くなりましたね」

 

11月の最後の日曜日はクーラーをつけて過ごすような暑さだったのに、12月になって急に寒くなりましたね。

今朝、出勤途中の車の温度計では、16℃を示していました。

 

DSC_0588

沖縄気象台のホームページでも、南部で14.4℃という数字もみられています。

kion

この時期は、急激な気温の変化に体がついていかず、体調を崩しやすいものです。

師走で何かと忙しい時期ですが、十分に休養をとって疲れを残さないようにしましょう。

 

 

 

 

ナルシシスト数

数学にはニックネームのような面白い専門用語があります。

なかには「なぜこの名前?」とたくさんの疑問符が頭の上を浮かんで飛び交うような名前もあります。

例えばこの「ナルシシスト数」

 

「ナルシシスト数」を説明しますね。

あるケタ数の自然数があるとします。例えば、「487」は3ケタですね。「5926」なら4ケタです。

その各ケタの数字をバラバラにして、その数字のケタ数を指数に累乗して、それを全部加えた数が元の数と等しくなるという数字のことをいいます。

 

言葉にすると難しいかも知れませんが、例をあげてみましょう。

例えば、「153」という数字です。

153

同じ3ケタなら、「371」もナルシシスト数ですよ。

371
不思議な数字ですよね。

自己愛が強い者を表す「ナルシシスト」という名前がついたのも、なんとなく納得してしまうような数字です。

 

ちなみに4ケタでは「1634」があります。

1634

 

 

エンターテイメントと医療

今回の日本内科学会学術集会「内科学の展望」は、私の日常診療で診る疾患とはやや分野が違っているとはいえ、非常に勉強になりました。

 

テーマが「がん死亡急増時代の内科診療を考える」

プログラムは3部構成でした。

1部:がんの基礎研究がもたらしたもの

2部:がんの診断と治療はここまで進んだ

3部:がんのケアを考える

 

それぞれのエキスパートの先生たちが最新の知見と、自らの情熱と哲学をもって講義してくださいました。

 

日本は以前からがんによる死亡が1位であり、約3人に1人ががんで死亡する時代なのだそうです。

113014_2259_1.png

 

そして、そんなポピュラーな疾患でありながら、今もなお偏見と誤解がはびこっているのだということでした。

 

がんは治療方法が日進月歩で進歩しています。

ある種のがんでは治療がある程度可能になった現在は、社会復帰を果たしながら、がんを背負って人生を歩む人たちが多くなっています。

 

個人的には、最後の演目「社会ががんと向き合うために、私たちにできること」を発表されたNPO法人キャンサーネットジャパンの川上祥子さんと医療向上委員会広報大使秋山ありすさんのお話を興味深く拝聴しました。

 

 「キャンサー・ネット・ジャパン」がどんな団体なのか、そのホームページからミッションとビジョンを紹介しますね。

「私たちのミッション(使命)は、がん患者が本人の意思に基づき、治療に臨むことができるよう、患者擁護の立場から、科学的根拠に基づくあらゆる情報発信を行うことです。」

「私たちのヴィジョン(夢)は、がん体験者・家族・遺族、その支援者、医療者と共に、日本のがん医療を変え、がんになっても生きがいのある社会を実現することです。」

 

秋山ありすさんは、配布された資料によると

現在医学部5年生でありながら、福岡発アイドルグループLinQのメンバーとしても活躍中。

自信の立場を活かし、医療と音楽、一般の人々を繋ぐ架け橋「メディカルアイドル」として、2014年より日本肺癌学会 肺がん医療向上委員会の広報大使に就任。

今年11月に京都で開催された第55回日本肺癌学会学術集会でも、LinQとしてライブを披露したり、学術集会の集大成となる「京都宣言」に登壇した。

113014_2259_2.png

 

一見、相容れないようにみえる世界をエンターテイメントで繋ぐ。とても面白い試みだと思います。

これもひとつのEBMEntertainment Based Medicine)だと紹介されていました。

 

下の動画が、その時の「京都宣言」です。

秋山ありすさんは、市民の立場から「肺がん医療に関する正しい情報を発信し啓発活動に取り組みます」と宣言されています。

6分11秒あたりから。

 

クリスマス・モード

内科学会の研修に参加するために、昨日の夜に福岡に入りました。

この時期は沖縄と温度差がないと感じたのですが、それでも沖縄に比べて乾燥しているのを感じます。

実は、福岡空港に降り立った時に世の中はすでにクリスマス・モードなのだと気づきました。

外来の患者さんも「昨日は忘年会だった。」という話がすでに出るようになっています。

時が経つのは早いですね。今日で11月も終わりです。

今年もあと1ヶ月。来年の準備をしつつ、今年やり残したことがないように、過ごしたいものです。

IMG_0134.JPG

シンフォニック・ジャズ

 

 

家の近くのスーパーでは、著作権が切れた(らしい)古いアメリカ映画のDVDや昔流行したフォークソングの音楽CDなどが時々一斉に陳列されます。

何か月かのサイクルがあるのでしょうね。

昨日、娘と買い物に行ったら、ちょうどそのサイクルに当たっていました。

私はオールド・ファンなので、用もないのに陳列棚の間を見回るタイプです。

 

クラシック・ピアノの音楽CDが安かったので、衝動買いしてしまいました。

(後で家内にバレたら、きっと叱られます。)

 

その中で「元気がでるセレクション」のカテゴリーがあり、トップバッターがこの曲でした。

『ラプソディ・イン・ブルー(Rhapsody in Blue)』 作曲者:ジョージ・ガーシュウィン

自由奔放なジャズとクラシックを見事に融合させた楽曲です。

 

「のだめカンタービレ」では、この曲が効果的に使われていましたね。

確かに、楽しくなって元気がでてくる曲です。このセレクションに私も1票を投じたくなりました。

 

この曲はまるでテーマパークのようです。

曲がり角をまがると、そこは全くの違う景色。

曲がったあとの道をまっすぐに進んでいったつもりが、いつの間にか急降下。そして急上昇。

次から次へとこれでもかこれでもかという具合に退屈しないメロディ。

 

これを聞いて元気を出しましょうか。

 

 

 

 

インフルエンザの流行の兆し

 

沖縄県感染情報センター のサイトでは、週ごとの定点あたりインフルエンザ患者数の報告があります。

国立感染症研究所・感染症情報センターが設定した警報・注意報システムによって

30人以上:警報

10人以上:注意報

1.0人以上:流行の兆し

というランクで、流行の勢いを示しています。

 インフルエンザ患者数2

1番右端の列が直近の第47週です。

青い数字の「インフルエンザ(定点あたり報告数)」に注目してください。

中部と那覇市で、それぞれ1.30、1.67と前週の数値よりも上昇しています。

沖縄県全体として1.02。『流行の兆し』のレベルです。

ちなみに、昨年は以下のような表になっていました。

インフルエンザ定点あたり患者数(平成25年11月)

時期がずれていて見にくいですが、左端の列が11月の第46週。

48週頃から12月はずっと流行の兆しに入り、1月から注意報になって全県的に警報レベルになっています。

 

今年もこれから本格的な流行期に入ってきます。

何度も言うようですが、ここで改めて、インフルエンザの感染予防策を確認しておきましょう。

 

インフルエンザの感染予防策

 

(流行時の予防方法)

1)食事の前や帰宅後には、必ず手洗い・うがいをしましょう。

2)バランスよく栄養を摂取し、十分な睡眠をとりましょう。

3)インフルエンザワクチンの予防接種は、早めに受けましょう。

4)「咳エチケット」を実行しましょう。

5)室内の換気に気をつけ適切な湿度を保ちましょう。

6)インフルエンザが流行しだしたら、不要不急の外出を避けましょう。

 

 

フィボナッチ数の魅力

 

マジシャンにアーサー・ベンジャミンという方がいます。

異色の数学マジックを得意とする方です。彼のマジックは数学とかけて Mathemagic と呼ばれています。

彼は数学に対する愛情を隠そうとしません。みんなが彼のように数学ファンであると思っています(笑)。

そして、フィボナッチ数列のことも!

 

 

フィボナッチ数列というのは、具体的には

1, 1, 2, 3, 5, 8, 13, 21, 34, 55, …

で始まる列のことです。

これらの数は、次のように求めます。

1

1

1+1=2

1+2=3

2+3=5

3+5=8

5+8=13


これらのフィボナッチ数は、自然界に多く出現していることで知られています。

例えば、花びらの数、ひまわりやパイナップルのらせんの数など。

興味深いですよね?

sunflower-239416_640

 

さらに面白いのは、フィボナッチ数列の隣りあった数の比をとると

1/1

2/1

3/2

5/3

8/5

だんだんと黄金比に近づいていくのです。

黄金比と言うのは、人々が美しいと思う長方形の比。

有名なのが、ピラミッドの三角形の高さと底辺の半分の長さの比

また、パルテノン神殿の縦、横の比などがありますね。

Parthenon_at_Nashville_Tenenssee_01

 

実際に彼の話は、数学ファンにはたまらないと思います。

久しぶりにワクワクしながら聞いていました。

 

[ted id=1862 lang=ja]

 

 

 

 

人体の弱点 咽頭交叉

 

精密にできている人間の体ですが、気道と消化管の進化の過程で、どうしても不都合なことが起きてしまいました。

それが、「咽頭交叉」と呼ばれるものです。

 

哺乳類は肺呼吸をしますね。空気の取り入れを鼻で行っています。

空気の通路として上気道は発達してきました。それは水の中から陸へあがっていく途中で進化してきたものです。

ですから、生命起源からあった消化管と比べて歴史は新しいのですね。

古い建物に新しい建物を建て増ししたものの、どうしよう?という感じで廊下を無理やりつけた雰囲気さえあります。

下の図をご覧ください。

咽頭交叉

上気道は口の後ろ側を通っています。

それに対して、肺を中心とする下気道は前の方、つまり首の前の方を通るようになっています。

咽頭で空気と食物の流れは交叉することになるのです。

 

間違って入ってしまうリスクがここに生じています。

空気が消化管に入るのは、ゲップしたりすればすむことですが、逆に食べ物が気道に入ってしまうと誤嚥性肺炎を起こしてしまいます。

 

哺乳類は、そこに軟口蓋や喉頭蓋をはじめとする嚥下の器官を発達させてきました。

ただし、脳梗塞などの脳血管障害による麻痺や神経・筋疾患、加齢による筋力の低下などが原因で嚥下障害が起こることがあります。

 

嚥下についての動画がありましたので、ご紹介しますね。

具体的な動きを知るのに役立つと思います。

 

 

スリー・グッド・シング(three good thing)

 

もともとが、ポジティブ心理学者のセリグマン博士の文献にあるお話です。

毎日、就寝前に、その日にあった良いことを3つ書き出すというものです。

3つの良いこと。つまり、それが three good thing。

そして、なぜそれが良いことなのかの理由を書き添えるというものでした。

それを1週間続けると、この方法がうつの症状を軽減させて、幸福感を高めるという効果が示されたとのことです。

Positive psychology progress : Empirical validation of interventions. American Psychologist, 60, 410-421.Seligman, M.E.P., & Others (2005).

 

three goog thing

 

面白いと思ったのは、ミーティングの時にこれを使うと良いというものでした。

ほかのメンバーが、あるひとりのその人について「いいところを3つ」挙げていくというものです。

着ている洋服のセンスをほめてもいいし、人柄や性格、貢献していることをほめちぎってもいいですね。

 

このミーティングが浸透すれば、自分が落ち込んだ時に

「私のいいところを3つ言ってちょうだい」

と言えば、照れくさくてくすぐったいかも知れませんが、いいことを言ってもらったら気持ちが晴れるかも知れません。

 

外来の朝のミーティングの時に、試してみようかな。

「佐久田の良いところを3つ言ってみて」

何も出なかったら困るなあ(笑)

 

昨日は在宅血液透析講演会でした

昨日は在宅血液透析講演会を盛会のうちに終えることができました。

透析患者さんももちろんですが、医療者側からの参加も多く良かったと思います。

いよいよ沖縄で初めての在宅血液透析をスタートさせる県立中部病院の宮里均先生と透析スタッフのメンバー。

坂井瑠実先生が「沖縄発の素晴らしい功績」と表現されたボタンホールの生みの親であるとうま内科の當間茂樹先生。

ほかにも那覇市立病院や他の透析クリニックのスタッフも顔を出してくれました。

 

古薗勉さんの講演は、自らの半生を振り返り在宅血液透析と出会って自分の人生を取り戻したこと

「大好きな沖縄に在宅血液透析の素晴らしさをお伝えしたい」

ユーモアを交えて、楽しくて大変勉強になる講演でした。

 

永野路子さんの講演は、実際の現場の声をストレートに伝えてくださいました。

社会の課題にどこよりも真っ先に飛び込んだ方です。

尊敬しますし、これからもそのご活躍を注目していきたいと思いました。

 

坂井瑠実先生の講演は、「患者が元気になる」「在宅血液透析はその最たるもの」

発せられる言葉はシンプルだからこそ力強いメッセージとなりました。

フロアからの質問も多く、あっと言う間に時間が過ぎました。

R0012857

ぜひとも、また沖縄にお呼びして、もっと多くの方にお伝えしたいと思います。