このブログで何度取り上げてきたかわかりません。
フランクルの言葉は人の心を揺さぶる力を持っています。
特にこの著作の中で、「人生の問いのコペルニクス的転換」についてこう述べています。
「私は人生にまだなにを期待できるか」と問うことはない。「人生は私になにを期待しているか」と問うだけです。
人生こそが問いを出し私たちに問いを提起しているからです。私たちは問われている存在なのです。
「人間は常に人生から問いかけられている」という思想に生きてこそ、人間本来あるべき姿がある。
そして、人生はけっしてあなたに絶望などしない。あなたがどれほど人生に絶望しても、人生の方があなたに絶望することはない。
「苦悩」についても、温かく深い視座でフランクルは語ります。
「人間にとってもっともつらい苦しみは、自分がなぜ悩み苦しんでいるのか、その理由がわからないことだ」
そうです。人間は理由のない苦しみは耐えられない。
今の苦しみや悩みに意味を見出すことができたら、人は救われるかも知れません。
苦悩の本質とは、「何かのための苦悩」であり「誰かのための苦悩」であると言います。
その時、苦悩は意味を持ち、苦悩が自分自身を支える力にもなるのだと言うのです。