このブログで、私がいつも言っていることと矛盾しているかも知れません。
ビクトール・フランクルの言葉です。(『夜と霧』 ビクトール・フランクルの言葉(ワニ文庫)より)
彼はある患者にこう言いました。
「とにかく、自分自身に目を向けないことです。あなたの内側で起こっていることを見つめないで、あなたに見出されるのを待っている何かを探してください。」
そして、別の患者にこうも言いました。
「「店の窓ガラスをたたきわってしまうのでは…」と恐れている患者には、こう助言する。「『窓ガラスをたたきわってやるぞ』と思いながら窓のところに歩いていってください」と。」
フランクルがここでやろうとしているのは、「内省除去」と「逆説志向」の2つです。
「内省除去」というのは、思考の悪循環、堂々めぐりを断ち切るために、「自分」を見つめるのをやめ、他のものに意識を向けること。
つまり、「自分自身について考えないように」と助言したことですね。
「逆説志向」というのは、自らの意志によって、あえて症状を増幅させようとしても無理なことに気づき、症状の悪循環から抜け出せるようにすること。
これは、不眠症の方に「できるだけ起きていてやろう。今日は意地でも眠らないぞ」と思うようにと実地に活かしていました。
ストレスがかかりやすい状況においては、「内省除去」がうまくいくことが多いように思います。
具体的には絵を描いたり、プラモデルを作ったりするのも良いかも知れません。生きづらいと思ったら、そうすることはきっと役に立ちます。