イソップ物語に「雄牛とヤギ」というタイトルのお話があります。
こんなお話です。
ライオンに追いかけられた雄牛が、ようやくのことで洞穴を見つけて逃げ入ってきました。
そこにたまたま一匹の山羊が先に入っていて、雄牛が洞穴の中に入った途端に、頭を低くして2つの角でつきかかってきました。
ライオンが洞穴の外でまだうろついているので、雄牛は山羊のされるがままにおとなしくしているしかありませんでした。
雄牛は静かな声で、山羊に言いました。
「気のすむまでつくがいい。お前の卑怯なやり方に黙っているのは、お前を恐れているからではないのだ。怖いのはライオンだけだ。あの化け物が行ってしまったら、お前に山羊と牛ではどちらが強いか思い知らせてやるからな。」
このお話の教訓は「他の人の苦しみにつけいるのは良くないことだ。」だそうです。
ヤギは、逃げてきた雄牛に対してつきかかっていくのではなく、弱者同士、牛と力をあわせるべきだったのだということなのでしょう。
でも、特に沖縄の人間はヤギの実力も知っているので、心情的に素直にこの物語からこの教訓を得るのは簡単なことではない気がしています。
雄牛は本気を出さないと、ヤギにやられてしまうのではないかという心配です。だから、どこかモヤモヤとした感じが、この物語には残ってしまいます。
ピージャーオーラサイの様子を見ると、雄牛もヤギに対して決して油断できないと思うのです。
https://youtu.be/CQV1n7N9_4E