4月の100分de名著は「歎異抄」を取り扱ったようです。
後で知って、興味があってテキストを買い求めました。
NHK 100分 de 名著 2016年 4月 『歎異抄』 釈徹宗著
「歎異抄」の名称は、「異義を歎く」というところから来ているのだそうです。
親鸞が亡くなった後に、師の教えとは異なる解釈が広まっていることを歎いた弟子の唯円が、親鸞の真意を伝えようと書き記した書物なのだそうです。
テキストを書いた釈徹宗さんがこう呼びかけています。
「できれば、「歎異抄」は声に出して読んでもらいたいと思います。たとえ内容がよくわからなくても、声に出してみる。」
「宗教の言葉というのは、本来は「語り」のなかにあります。」
「「聖書」や「クルアーン」にも同様のことが言えますが、繰り返し声に出して唱えるうちに、書かれたことが身体に蓄積されていきます。」
「そうすると、生きていくなかで、たとえば絶対絶命のピンチに陥ったと感じる瞬間、宗教の言葉が浮上してきて私たちを助けてくれるのです。」
歎異抄には常識を覆すような言葉が繰り返されているのだと言います。
「善人なをもて往生をとぐ…」という言葉に代表されるように、信仰のパラドックスをつきつけてきます。
自己の善の否定。偽善への嫌悪。
「いいカッコしたいだけじゃないの?」
中二病のようなどす黒い情念の塊を、人は心の奥にしまいこんでいます。そういう私がそうです。
これを隠すことなくさらけ出す潔い決意を感じました。それに勇気づけられるのです。
今回、入手したのはこのテキストでしたが、近いうちに「歎異抄」そのものを手にとって、じっくりと読んでみたいと思いました。