「ロウソクの問題」と動機づけ TEDから

今日はTED からのプレゼンです。

Dan Pinkさんは、ビジネスの社会で実際に行われていることと科学で解明されている動機づけについて大きな食い違いがあることに注目しました。

 

例えにしたのは、「ロウソクの問題」と呼ばれているパズルです。

これは、1945年にカールドゥンガーという心理学者が考案した実験です。

被験者をある部屋に入れてロウソクと画鋲とマッチを渡します。そして「テーブルにロウが垂れないようにロウソクを壁に取り付けてください」と問題を出します。

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5分か10分ぐらいで、被験者は解決法を見つけ出します。こうすればいいのです。

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これがロウソクの問題と呼ばれているものです。

 

次にサム グラックスバーグという科学者が、このロウソクの問題を使った実験を行いました。

被験者を2つのグループに分けて、1つのグループには「この種の問題を解くのに一般にどれくらい時間がかかるのか、平均時間を知りたいのだ」と言って取り掛かってもらいます。

もう1つのグループには報酬を提示したのです。上位25パーセントの人には5ドルお渡しします。1番になった人には20ドルです。」

実は、報酬を条件にしたグループは3分半、余計に時間がかかったのだそうです。

予想では、報酬を条件にすれば、モチベーションがあがり、時間が短縮されると考えがちです。

 

成功報酬という外的動機づけがうまくいったのは、下のパズルのような問題でした。

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つまり、サルでもわかるような単純な問題、作業には適していました。

 

If Then式の報酬は、視野を狭め心を集中させるものです。

しかし、視野を広くし、頭を柔らかくし、多角的な視点で問題を解決するのは、If Then式の報酬では、むしろ邪魔をしてしまっていました。

 

どうしたらいいのでしょう?

これからは、内的動機づけに基づくアプローチを行う必要があるのだといいます。それが下の3つです。

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自主性、成長、目的

 

自主性は、自分の人生の方向は自分で決めたいという欲求です。

成長は、何か大切なことについて上達したいということです。

目的は、私たち自身よりも大きな何かのためにやりたいという切望です。

 

彼は最後に、次の3点にまとめてくれました。

 

1. 20世紀的な報酬、成功報酬による外的動機付けは 機能はするが驚くほど狭い範囲の状況にしか合いません

2. If Then式の報酬は、時にクリエイティビティを損なってしまいます。

3. 高いパフォーマンスの秘訣は、報酬と罰ではなく、見えない内的な意欲にあります。自分自身のためにやるという意欲、それが重要なことだからやるという意欲です。

 

この方のプレゼンを聞いているだけで、モチベーションがあがってくるような語り口調でした。

面白かったです。

 

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