毎年、クリスマスになると、BMJ というイギリスの医学専門誌がしゃれた面白い論文を掲載してくれます。
それを彷彿とさせる論文が2012年に NEJM というアメリカの医学専門誌に掲載されました。
巷でも話題になりましたから、目にした方も多いのではないでしょうか?
曰く、「国別ノーベル賞の受賞者の割合は、その国のチョコレート消費量と正相関がある。」
Chocolate Consumption, Cognitive Function, and Nobel Laureates
Franz H. Messerli. N Engl J Med 2012; 367:1562-1564
今回の研究では、2011年10月10日までの23カ国の10万人あたりのノーベル賞受賞者を比較することで行われました。
解析の結果、有意な相関が認められました。(r=0.791、P<0.0001)
このグラフの通り、チョコレートの消費量、ノーベル賞受賞者数がともにトップであったのはスイスです。
国民1人あたりの年間チョコレート摂取量が400g増えると、ノーベル賞受賞者が1人増えるという計算になります。
チョコレートの効果が現れるのは、最低でも年間約2kgを摂取しなければならないようです。年間11Kgまでは、用量依存的に多く受賞者が出ています。
ただし、食べれば食べるほど受賞者が増えるかどうかは不明とのこと。
しかも、残念ながらこの研究ではノーベル賞受賞者個人のチョコレートの摂取量は調べられていないのですね。
彼らがチョコレート好きかどうかもわからないのです。(もしかして、チョコレート・アレルギーがあるかもしれないかどうかも!)
ちなみにチョコレートにはポリフェノールやフラボノイドが含まれていて、認知機能の改善作用や脳神経細胞の保護作用などがあるのではないかと考えられています。
あながち冗談じゃないかも知れませんよ?