食塩の摂り過ぎは良くないということは以前から指摘されていることですね。
けれども、それは血圧の高い人に限ってのことではありません。
正常血圧の人にも通じることです。
A comprehensive review on salt and health and current experience of worldwide salt reduction programmes
Journal of Human Hypertension (2009) 23, 363-384
塩分の摂取は交感神経や血管に作用するホルモンなどのバランスを変化させます。
下のグラフは減塩をすればするほど、血圧が変化した様子を表しています。
Normotensives というのが正常血圧のグループ。Hypertensives というのが高血圧グループのことです。
正常血圧のグループも高血圧のグループほどではありませんが、血圧が変化していますね。
また、塩分摂取量が多いと脳卒中死亡者数が増えることがわかっています。
下の図は各国の食塩摂取量と脳卒中の年間死亡者数を表したものです。
この因果関係の大きさに目を見張りませんか?
逆を言えば、減塩すれば脳卒中が防げるということでしょう。
日本高血圧学会のガイドラインでは高血圧の方は1日6g未満が推奨されています。
厚労省のサイトに「日本人の食事摂取基準(2015年版)」があります。
2010年版と比較して、これによると1日あたりの食塩摂取の目標量を以下のように改定していました。
・ナトリウム(食塩相当量)について、高血圧予防の観点から、男女とも値を低めに変更。
18歳以上男性:2010年版 9.0g/日未満 → 2015年版 8.0g/日未満
18歳以上女性:2010年版 7.5g/日未満 → 2015年版 7.0g/日未満