妖怪ウォッチと比較するつもりもありませんが、柳田國男氏に代表される硬派な妖怪モノは大好きです。
民俗学としても面白いですし、その土地特有の民間信仰がどのように継承されてきたかを知るのもとても興味がそそられます。
そういう意味でも沖縄の妖怪を扱う新刊が出ていることは嬉しいですね。
おきなわ妖怪さんぽ―マジムン・幽霊は、君のすぐそばにいた!? 小原猛と琉球怪団著
妖怪ではなく幽霊ものですが、「真嘉比の逆立ち幽霊」の話は沖縄芝居で何度も演じられた有名なお話です。
この本にも「沖縄の四谷怪談と呼ばれる」と紹介がありました。
私に沖縄芝居の魅力を教えてくれた方が、実はこの物語に新しい解釈を導入して芝居を完成させた功労者だったと後で知ったこともあり、非常に思い入れがあります。
人が何におびえるのか。ユーリー(幽霊)そのものではなく、ユーリーにならざるを得なかった状況に共感し恐怖するのだということ。
状況を丁寧に吟味し、細かく描くと、観る人は共感しイメージしてくれるのだと言っていました。
恐怖とは、一種の共感力ですものね。
勝手な持論ですが、想像力を養うために妖怪モノは最適かも知れません。