ベンジャミン・フランクリン(1706-1790)は、アメリカの偉人です。
凧を使った実験で電気の存在を証明したり、避雷針、熱効率の良いストーブ、遠近両用メガネなどを発明したことでも知られている人です。
人としても偉大で、「フランクリン自伝」はロングセラーとなりました。
彼は「道徳的完全に到達する計画」を思いつき、それを十三の徳目にまとめています。
それを手帳に持ち歩いて、毎日それができたかのチェックを入れていたそうです。
1.節制
頭や体が鈍くなるほど食べないこと。はめをはずすほどお酒を飲まないこと。
2.沈黙
他人あるいは自分に利益にならないことは話さないこと。よけいな無駄話はしないこと。
3.規律
自分の持ち物はすべて置き場所を決めておくこと。仕事は、それぞれ時間を決めて行うこと。
4.決断
なすべきことをやろうと決心すること。決心したことは、必ずやり遂げること。
5.節約
他人や自分に役立つことにのみお金を使うこと。すなわち無駄遣いはしないこと。
6.勤勉
時間を無駄にしないこと。いつも有益なことに時間を使うこと。無益な行動をすべてやめること。
7.誠実
だまして人に害を与えないこと。清く正しく思考すること。口にする言葉も、また同じ。
8.正義
不正なことを行い、あるいは、自分の義務であることをやらないで、他人に損害を与えないこと。
9.中庸
何事も極端でないこと。たとえ相手に不正を受け激怒するに値すると思っても、がまんしたほうがよいときはがまんすること。
10.清潔
身体、衣服、住居を不潔にしないこと。
11.冷静
つまらないこと、ありがちな事故、避けられない事故などに心を取り乱さないこと。
12.純潔
性的営みは、健康のためか、子供を作るためにのみすること。性におぼれ、なまけものになったり、自分や他人の平和な生活を乱したり、信用をなくしたりしないこと。
13.謙譲
イエスおよびソクラテスを見習うこと。
昔も今も、これらを完璧にこなすには困難な道だと思います。
けれども、これにとりかかる姿勢が大切なのだと、彼は考えていたそうです。