中心にあるもの

私は「患者中心主義」という言葉に違和感を感じているうちの一人です。

このブログの中でも、「患者中心」という言葉を使用する時には慎重に取り扱ってきたつもりです。

ご存知の方もいたかも知れませんが、私は「患者中心主義」を掲げていないのです。

クリニックの理念にも、この言葉はあえて使わないようにしました。

 

ただ、私が感じている違和感をどう説明したら良いものかなかなか適切な表現が見つけられず悩んでいました。

誤解のないようにうまく表現することができなかったのです。

それが、ある本を読んで、同じことを考えている人がいるんだなあと感動した本がありました。

前にも紹介したことがある『ユマニチュード入門』です。

 

  本田 美和子著

 

この本に示されていた文章を紹介します。

 

何が中心にあるべきか

ユマニチュードの理念は絆です。人間は相手がいなければ存在できません。あなたがわたしに対して人として尊重した態度をとり、人として尊重して話しかけてくれることによって、わたしは人間となるのです。わたしがここにいるのは、あなたがここにいてくれるからです。逆に、あなたがここにいるのも、わたしがここにいるからです。

わたしが誰かをケアをするとき、その中心にあるのは「その人」ではありません。ましてや、その人の「病気」ではありません。中心にあるのは、わたしとその人との「絆」です。

 

「これだ!」と思いました。

何を中心にするか?という問いの答えが、まさしくこの文章にありました。

そして、これはさくだ内科クリニックの2番目の理念と合致するものです。

 

患者とスタッフ一人ひとりが深い信頼の絆で結ばれている

 

答えが見つかった気がして、ぱっと目の前が明るくなった気がしました。

 

 

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