TSUTAYAの店内を何気にぶらついていたら
ふと目に留まった本がありました。
「悪魔を出し抜け!」 ナポレオン・ヒル著
自己啓発本の「思考は現実化する」(Think and Grow Rich)の著者として有名な方です。
「思考は現実化する」は1930年代に書かれたそうですから、すでに70年が経過しているのですね。
それで尚読み継がれているのですから、人々の心に普遍的に響くものがあるのでしょう。
そういう私も、背伸びをして原著で読むようなこともしていました。
「悪魔を出し抜け!」は1938年にタイプライターでナポレオン・ヒル博士自らの手で執筆されたものだということです。
(この本ではナポレオン・ヒルのことを博士と呼んでいます。それに倣います。)
なんと72年ぶりの新刊。
原稿の公表を親族が反対したからだということですが、内容を見ると少しうなずけるような気がしないでもありませんでした。
ナポレオン・ヒル博士は、逆説的な表現をよく使いますし、この本で博士と対話する「悪魔」も
人の心の奥底にある闇、ネガティブを引き出す人間の本質
つまりは博士自身なのだろうと思いました。
この本のタイトルである「悪魔を出し抜く」ために、七つの原則が提示されています。
1 目標を明確にすること
2 自制心を持つこと
3 逆境から学ぶこと
4 環境から受ける影響をコントロールすること(交友関係)
5 時間(否定的な思考習慣ではなく、肯定的な思考習慣を確立し、知恵をつけること)
6 調和(明確な目標を持って行動することにより自らの精神的、霊的、物理的環境を支配すること)
7 警戒(実行する前に計画を見直すこと)
ヒプノティック・リズムや「流される」など、聞きなれない言葉が出てきます。
それを理解したうえで、読み進めていくと博士の人間観や宗教観が垣間見えて面白いです。
この本を読んで、心に残ったのは「現場に調和をもたらすにはどうしたら良いか」という命題が示された箇所でした。
「適切な人間関係とは、直接的であろうと間接的であろうと、そこに関わるすべての人間がその関係によって何らかの恩恵をこうむるような関係である。」
「他人を傷つけたり、他人に苦痛や不幸をもたらすものは、どんなものでも不適切な関係となる。」
それを改善するには?
私にとって、タイムリーな本だったかも知れません。
私も読んでいます。