昨日、16日は第25回沖縄透析合併症研究会がありました。
座長の琉球大学血液浄化療法部部長の井関先生から、ご指名があり
『オーバーナイト透析を施行して ―3か月を経過した報告―』という演題で発表させていただきました。
スライドを準備しながら、オーバーナイト透析を3か月経験して何が特徴的か、代表的な事柄は何かと考えていました。
透析を受けている方々の元気になった姿は、私たちスタッフのモチベーションを上げたこととして本当は第一に伝えたいことです。
けれども、言葉としては伝えても、実感として伝わらないだろうなというのはあります。
透析従事者として印象に残ることは、数値として表せられないことかも知れませんね。
けれども、それでは発表になりませんから、変化の大きかった事柄をグラフにすることにしました。
それは、例えば造血ホルモン(ESA)製剤の必要量の変化です。
腎臓から本来分泌されるはずのエリスロポエチン(造血ホルモン)は、腎不全になると分泌されず、されていたとしてもごく少量です。
その結果、腎不全の方は貧血になります。いわゆる腎性貧血と呼ばれる状態です。
それから尿毒症物質が邪魔をして、ホルモンの効きを低下させるということがあり、注射で投与しなければならないのが普通なのです。
オーバーナイト透析を受けられている方たちのESA製剤の3か月の必要量の推移をグラフに示してみました。
3か月の間に貧血が改善し、薬の投与が少なくなった、あるいは必要なくなったという方が出てきました。