午前のプログラムの目玉は、何と言っても脳科学者 茂木健一郎さんの特別講演でした。
ユーモアを交えた講演は会場に笑いがあふれ、非常に興味深く拝聴させていただきました。
私の手元のメモにはいくつかの単語の走り書きが残っていますので、紹介しますね。
「ダニング・クルーガー効果」
簡単に言うと、素人はちょっとかじっただけで「それ」を分かったつもりになり、専門家は「それ」に対してあくまで謙虚であるということ。
だから「分かった、分かった」という人ほど、何も分かっちゃいない。
これには、なるほどとウチアタイしました。
wikipediaには、シェイクスピアも同様のことを書いていると紹介しています。
「愚者は自分を賢明だと考え、賢者は自分を愚かであると知っている。」
今は、ネットの時代ですから情報があふれ、素人は専門家に求めるものの質がちがってきていると茂木さんは指摘しました。
では、専門家である医者に対してはどうなのか?
専門知識は当然のこととして、それだけでなく人をトータルに見る「人間力」が求められているのだと思う。
当事者が深刻な事態になればなるほど、専門性には納得しない。
むしろ、その医師の「人」が問題になってくる、とおっしゃっていました。
「雑談力」
チェスやクイズなど、計算力の分野では当の昔に人間の能力を超えてしまったコンピューターですが
唯一、人間の脳に到底及ばないのが、この「雑談すること」らしいです。
「雑談」は「毛づくろい」の役割を担い、社会性を発揮するもの。
人の脳は雑談する時、最も高次に機能している状態ということでした。
これには、とても大きなヒントがある気がします。
ほかに「哲学的ゾンビ問題」や「オタク文化のススメ」など、人の不思議さをたっぷりと教えてもらいました。
医師会の講演としても、最高に良かったです。