「啐啄同時」(そったくどうじ)という四字熟語があります。
「啐啄」を辞書で引いてみると、以下のような説明です。(精選版 日本国語大辞典より)
〔名〕(「そつ」は「啐」の慣用音。「啐」は鶏卵が孵化しようとするとき雛が殻を内からつつくこと、「啄」は母鶏がそれに応じて外から殻をつつくことの意)
①禅宗で、機を得て学人と師家との両者の心が投合することにたとえる。しゅったく。
②逸してはならない好機。それぞれがぐあいよく合致して、それをのがすと他には得られなくなるような機会や時。しゅったく。
その時期にならないのに、羽化の手助けを蛹(さなぎ)にしてはならないというのは誰でも知っていることです。誰にでもタイミングというものがあります。
「啐啄同時」とは、師匠と弟子、親と子のように、学ぶ者と指導する者の呼吸がぴったり合うことを言います。
呼吸をぴったり合わせるには、ちゃんと見ていなければなりません。特に導く者は、学ぶ者の動向にいつも気をつけている必要があります。
言うは易しです。実際は難しいですが、同伴するというのは、そういうことなのだと思います。
