私の場合、オーディオブックはランニングの時とか車の運転中に重宝します。小説やエッセイを聞くのもいいし、分厚い教養書などでも利用したりします。
高速道路を往復で使っていた勤務医時代ならば、もっと活用できたのではないかと今さら思ったりもします。
ただしその時代には(いつの間にか10年経っています!ですから10年前!)、コンテンツが豊富と言えず、あったとしてもCDブックを購入しなければならず、なかなかハードルが高かったのです。
今はMP3ファイルなどで販売していたり、月々定額の借り放題のサブスク・プランがあったりして、ホントに身近になりました。
調子に乗って、子どもたちにオーディオブック版「サピエンス全史」をすすめてみました。
男性ナレーターの声が落ち着いていて良い感じですし、ここ数年の教養書ランキングでも常に上位の本ですから、内容としても申し分ないと思ったのです。
数日して、子どもたちがそろって同じことを言いました。
「私って、オーディオブックは合わないみたい…」
聞き逃したと思ったらそれが気になって進めなくなってしまうのと、かと言ってずっと集中して聞けるわけでもない。
また、聞いていながらとにかく紙の本で字面を確かめたいと思うのだそうです。
教養書に限らず、飛ばし読みと戻り読みを繰り返しながら理解を深めるタイプで、右から左(左から右?)へ音が流れていくのを掴みながら理解するのが苦手だと自覚したようでした。
そういう私も教養書のオーディオブックをどのくらい理解しているかと訊かれると、自信はありません。
実を言うと、大胆にそれを気にしていなかっただけです。
考えてみれば、私が中学生の頃は「睡眠学習マクラ」なるものがこの世に現れた世代で、頭に入るか入らないかは問題外で、とにかくそんなことは気にせずに音を流す「ながら世代」とも言えます。
効率が落ちるというデータが提示されても頑なに作業用BGMを愛する世代なのです。
けれども、考えてみれば、私がオーディオブックで聞いて気に入った本は紙の本を購入して目で読む、ということをしていますし、さらにいつも手元に置いておきたいと思ったらKindleでも購入していますから、媒体を違えて3種類の同じ本を持つことになってしまっています。
もちろん、そこまでお気に入りの本というのは、ほんの少ししかありませんが。
