誰だったか思い出せませんが、闘病生活を送る中で「病気だから死ぬのではない。人間だから死ぬのだ」と言った方がいらしたそうです。
「ユーモアとは『にもかかわらず笑うこと』」で知られる「死生学」を広めたアルフォンス・デーケン氏も、講演のなかで「人間の死亡率は100%」と同じようなことを述べていました。
人は誰でも死ぬものです。
この本は、英雄、武将、政治家、作家、芸能人、犯罪者などの著名人の臨終の様をまとめたもので、死亡した年齢順に全巻で923人分が収録されています。
例えば、図鑑1には、40歳でなくなった人にジョン・レノンがいて、また49歳には夏目漱石がいます。
人の人生が何一つ同じものがないように、臨終の様子も様々です。
当たり前ですが、人は死ぬまで生きているものです。「死」を経験した人は既に生きている人ではありません。「死に方」というのは、実は「生きる」側にあります。
この本は、臨終の様子を切り取ったものですが、その人の「生き方」の象徴を描いたものでした。
ですから、「どんな死に方をしたのか」が、読み重ねていくうちに「人はどんな生き方ができるのか」に変化していく気がします。
Kindleの無料版に出ていたので読んでみたのですが、夢中で読んでいました。