哲学者 池田晶子さんの本を読みました。
生きていれば良いこともある
という俗言
裏返し、生きていれば悪いこともある
幸福と生死とは無関係である
ということを知ることが幸福なのである
哲学者の思索日記からの言葉ですから、解説などありませんし、これを拾って心に沈み込ませるという類のものでもありません。
あなたならどう考えるかという作者からの問いかけですし、答えらしきものをこしらえてもそれで終わりというものでもありません。
生きていれば、良いことと悪いことの繰り返し。すなわち「禍福は糾える縄の如し」です。
これに類似した言葉は「人間万事塞翁が馬」や「沈む瀬あれば浮かぶ瀬あり」「有為転変は世の習い」など、それこそ世の中には無数に存在します。浮き沈みのない人生などありえないのです。
そして、次の2行
「幸福と生死とは無関係である」「ということを知ることが幸福なのである」
池田晶子さんは別の本で、こうも言っています。
「我々の日常とは、明日死ぬ今日の生、その連続以外の何ものでもない。」
そして、生きていれば悪いこともある。
それならば、悪いことが起きた理由とか意味とかを考える必要などないのです。言い換えれば、悪いことは人生に無関係に起きるのですから。
不幸だからと言って、人生をあきらめる必要もありません。無関係であることを肝に銘じる必要があります。
それこそ、生きていれば良いこともあるわけですから。