ルネサンス期の画家 ヒエロニムス・ボスが描いた「快楽の園」という三連祭壇画があります。
外扉に描かれているのは、旧約聖書の「天地創造」の時の地球です。
旧約聖書によると、神は6日間にわたって世界をつくったとされています。
その6日間というのは、以下の通りです。
1日目は、光と闇、昼と夜。
2日目は、水を上と下に分け、上が空または天とされました。
3日目は、天の下の水が集められて海になり、乾いた所が地になりました。
4日目は、太陽と月と星がつくられました。
5日目は、水の中の生き物と鳥がつくられました。
6日目は、地上の生き物がつくられ、人がつくられました。
7日目に、神は休みました。
ヒエロニムス・ボスが外扉に描いた「天地創造」時の地球は、海があり、大地には植物が描かれていますが、まだ人もその他の生き物も存在していないことから、3日目を描いたものだとされています。
「天地創造」では、神の「光あれ」という言葉によって、その通りになっていきます。
まさに「始めに言葉ありき」と同様に、「言葉の力」が強調されているのが特徴的です。
現代でも言葉による「自己成就的予言」を信じている人が多いですから、人が古来から持っている本質に近いのかも知れませんね。