先日、映画「スキャンダル」を観てきました。
実在のスキャンダルを描いた映画ということでしたが、その事件をなぞるだけでなく、セクハラが日常的に起こりうるのだということ、それが被害者女性の威厳をどれだけ砕いてしまうのかを描いた映画でした。
セクハラはグレーゾーンの中で起きて、被害者女性が「自分にも落ち度があったんじゃないか」と思ってしまう。
そのような複雑なグレーゾーンでの出来事が、リアルに描かれていました。
下手をすると男性目線の好色な表現になってしまうのを排除しながら、日常の中のセクハラやパワハラをリアルに描いていたと思います。
表面をなぞるのではなく、事件の核心や本質に迫ろうとした映画だったと思いました。
3人の女優さん達がポーズを決めた映画ポスターでしたから、みんなで一致協力して権力と戦うのだと思っていたら、映画本編の中で彼女たちはほとんどお互いに言葉を交わしません。
それぞれがそれぞれの形で悩み、葛藤し、立ち上がっていきます。
それもまたリアルでした。