娘が見た夢のこと。
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ある日、政府から発表があった。
「実はアンドロイドを人間社会に紛れ込ませて生活させていた。今まで国民に内密にことをすすめていたことをゆるしてほしい。」
娘は驚いたが、自分とは縁のないことだと決めつけていた。周りを見回してもアンドロイドらしい人物は見当たらなかったからだ。
数日後に娘は友人と一緒に居酒屋へ出掛けた。お酒を飲みながら友人は言った。
「私がアンドロイドだったら、どうする?」
明らかにフラグが立っていた。けれど、それに気づかない娘は、アンドロイドに対して否定的な意見を述べた。
「アンドロイドが人間らしいのは外見だけ。内面は人間とは違う。気持ちが悪い。」
「そう」
友人は寂しそうな表情を浮かべた。
翌日から友人は姿を消した。アンドロイドだったからだ。
実は、政府は、国民の一人ひとりに、友人や恋人など、何かしらの関わりを持ったパートナーのアンドロイドを派遣していたのだった。
娘の友人は、娘が拒絶したために、「お払い箱」になってしまっていた。不適格アンドロイドの判定が下されたのだ。
娘は愕然とした。なぜあんなひどいことを言ってしまったのだろう。
人間らしさを失っていたのは、自分だったのではないのか。
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ちょっとしたショートSFみたいな夢ですね。星新一さんの影響を受けすぎなのかも(笑)。