「夢中説夢」

 

「夢の中で夢を説く」

「夢中説夢」という言葉が禅語にあります。

夢のような話でも、それが現実であるという不思議。

生理学や生化学を持ち出すまでもなく、人の生命の仕組みは不思議に満ちています。

あらゆる臓器が独立した働きをもちながら、その臓器間で連関しているという事実。

細胞1個の中身を覗いてみても、その絶妙なバランスには感嘆するしかありません。

私たちの生命は、その不思議のうえに成り立っているのですが、それは日常の中で埋もれがちですし、いつも忘れてしまいます。

それでも、例えば風邪をひいたとき。

そんな時に健康のありがたさが身に沁みますし、自分の身体が自分のものであって、実はそうでないような、例えば大切な借り物だったような、もっと大事に扱うべきだったんじゃないかという気になります。

大きな後悔の前に「もっと自分の体を大事にしなさいよ」というお知らせが、風邪の役割の気がします。(風邪に役割があるならば、の話ですが)

新型コロナウイルスの話を持ち出すまでもなく、風邪をひいたらどうか休む勇気をお持ちください。

「休めない」というのもわかりますが、お互いさまでなんとか回るものにしたいものです。