3時間以上のゲームは身体をいためる?

 

今回は長時間のビデオゲームが「身体」に悪影響を及ぼす可能性についての論文です。

この研究によると、1度のプレイ時間が「3時間」を超えると、身体にダメージを与えるのだそうです。

これまでのビデオゲームに関する研究は、「身体面」ではなく、依存症などの「心理面」や「精神面」の問題をとりあげるものがほとんどでした。

WHOが「ゲーム障害」を、国際疾病分類(ICD-11)に含めたことが、最も象徴的ですね。

しかし、この「ゲームしすぎ!」への「身体的」影響は、ほとんど見過ごされてきました。

2022年の国際ゲーミング研究の一環として実施されたこの多施設横断研究は、オーストラリア、カナダ、アメリカ、英国の4か国から955人の参加者を対象としました。

参加者の性別も偏りなく、18歳から94歳までの幅広い年齢層をカバーしました。(94歳!)

参加者からゲーム習慣と、身体的症状を報告してもらいました。

まず、研究者は、心理面としてゲーム障害の程度を、インターネットゲーミング障害テスト-10(IGDT-10)というツールで評価しました。

さらに、プロ・ゲーマー志願者を抽出して、ゲームへの取り組みの真剣度と身体的な影響の相関についても調べました。

参加者の大部分(80%)は毎日ゲームをプレイしており、かなりの割合が週に1回または毎日長時間のゲームに没頭していました。

特に、週に1回3時間以上のプレイヤーは27.5%いて、全プレイヤーの16.2%は毎日3時間以上ゲームしていました。

それを上回る週に1回6時間以上のプレイヤーは19.2%、毎日やっている猛者連は9%いました。

さらに、過去1年間でインターネットゲーミング障害と診断された参加者は17.9%、プロ・ゲーマーを志願している参加者は21.7%でした。

そこで、参加者のほとんどが、ゲームに直接起因するとされる身体的問題を報告していました。

目の疲れ46.1%、手や手首の痛み45.4%、背中や首の痛みは52.1%でした。

これらの問題は、特定の年齢層や性別に限定されていませんでした。

そして、長時間のゲームの頻度と身体的症状との間には、相関関係がありました。

具体的には、ゲームを3時間以上続けると、身体的な問題が表出してきました。

プロ・ゲーマー志願者の身体的問題は、高い傾向を示していましたが、これは統計的に有意な閾値に達しませんでした。

しかし、「ゲーム障害」の基準を満たす人々については、身体的問題を多く抱えていることがわかりました。

しかし、研究には限界があり、定期的にゲームをする人々にのみ焦点を当てたため、よりカジュアルなプレイヤーに適用されるかどうかはわかりません。

また、仕事上、長時間コンピュータを使用する人々など、他の活動がビデオゲームプレイと身体的害との関係にどのように影響するかもわかっていません。

私も、ティアキンなどをしますが、ビデオゲームは、ほとんどの人にとって楽しく、豊かな体験です。

ビデオゲームのポジティブな側面とネガティブな側面を理解することは、「正しく楽しむ」ために必要なことなのだと思います。

 

元論文:

Pehlivanturk Kizilkan M, Akgul S, Kanbur N, Gungoren O, Derman O. Problematic video gaming is negatively associated with bone mineral density in adolescents. Eur J Pediatr. 2024 Mar;183(3):1455-1467. doi: 10.1007/s00431-023-05399-x. Epub 2024 Jan 2. PMID: 38165466.