筋トレは落ち込んだ心にも効く

 

「人生の99.9%の問題は、筋トレで解決できる!」と言ってのけるTestosteroneさんのような方は、今回紹介する論文などについては「わが意を得たり!」と膝を叩くところでしょうね。

 

私たちの心と体は、予想以上に密接に繋がっているものです。

そして、この連携は、健康を維持するため、特に精神的な健康にとって重要な役割を果たします。

運動が心の健康に良い影響を与えることは以前から知られていましたが、この研究は、「筋トレが抗うつ効果を持つ」という事実を明らかにしました。

研究者は、複数のオンラインデータベースを通じて広範囲にわたる検索を行いました。

最終的には38の研究が選ばれ、これらの研究には2439人の参加者が含まれていました。

筋トレに取り組んだ参加者は、非活動的な対照群に比べて、うつ症状の有意な改善を示しました。

ここで注目すべきは、トレーニングの具体的な方法です。

当然といえば当然なのですが、筋トレを行う際には、「どのように」行うかが非常に重要ということです。

例えば、週に3回以上の筋トレを行うこと、3セット以上のエクササイズを行うことが、1回や2回、あるいは1セットや2セットのトレーニングよりも、より強い抗うつ効果を生み出しました。

また、この研究では筋トレ単独と他の運動形態、例えば有酸素運動との組み合わせによる抗うつ効果の違いも探求されました。

筋トレ単独でも有意な効果が見られましたが、他の運動と組み合わせた場合、結果に有意な差は見られませんでした。

心身の健康を支えるためのアプローチはさまざまですし、筋トレはその中の一つとして、特にうつ病の補完的治療法としての可能性を秘めています。

身体を動かすことの精神的なポジティブな影響は、私たちが日々の生活の中で実践しやすく、そして効果的な方法の一つといえますね。

この研究が示す通り、筋トレにはただ筋肉を鍛える以上の価値があるようです。

日常生活において、心と体の健康を同時にケアすることの重要性を、再認識させてくれる話題とも言えます。

ちょっとスクワットしてみたくなりました(笑)。

 

元論文:

Rossi FE, Dos Santos GG, Rossi PAQ, Stubbs B, Barreto Schuch F, Neves LM. Strength training has antidepressant effects in people with depression or depressive symptoms but no other severe diseases: A systematic review with meta-analysis. Psychiatry Res. 2024;334:115805. doi:10.1016/j.psychres.2024.115805