コーヒーの物語

 

私は、コーヒーが大好きで、白状すると、少し依存がかっています。

マラソン大会前になると、トイレ対策でカフェイン断ちをするのですが、イライラしそうになるので、スタバのデカフェで補おうとするほどです。

さて、今回紹介するTED-Edは、人類がコーヒーに魅了され続けた物語でした。

この物語の始まりは、紀元850年、ある山羊飼いが、彼の山羊がある種のベリーを食べた後に、普段とは違って活動的になったのを目撃したのがきっかけでした。

山羊飼いが自らそのベリーを試した瞬間が、人類とコーヒーの切っても切れない関係の始まりでした。

14世紀以前には、現在のエチオピアで野生のものが収集され始めました。

その後、コーヒーは貿易ルートを通じて中東へと広がり、1450年代にはその人気が高まりました。

この時代、コーヒーは単なる飲み物ではなく、コミュニティを形成し、文化的な集会の場を提供する手段となりました。

しかし、コーヒーの普及は簡単な道のりではありませんでした。

1511年、コーヒーはメッカで宗教裁判にかけられました。

この裁判はコーヒーがイスラム教徒によって飲まれるべきかどうかを問うものでした。

最終的に許可されたことで、ダマスカスやイスタンブールを始めとする様々な場所でコーヒーハウスが誕生しました。

これらのコーヒーハウスは、社会的な交流の場として、また知的な議論の中心地として機能しました。

コーヒーの物語は、その後も続きます。

1600年代後半には、ヨーロッパの帝国がアジア、ラテンアメリカ、カリブ海地域でコーヒー栽培を推進し、ブラジルは1906年には世界のコーヒー生産の80%以上を輸出するまでになりました。

この時代のコーヒーはただの飲み物ではなく、経済的な力を持つ商品となったのです。

しかし、コーヒー産業の背後には、暗い側面も存在します。

栽培の拡大は、しばしば奴隷労働や先住民族の追放、森林の破壊を伴いました。

そして、今日に至るまで、コーヒー労働者はしばしば非人道的な条件下で働いています。

これに対抗するため、倫理的な基準を満たす生産に向けた認証努力が進められています。

さらに、コーヒー産業は気候変動の影響を受けやすいことが判明しています。

コーヒー栽培に適した「ビーンベルト」は今後数十年で縮小する可能性があり、科学者たちは耐性のあるコーヒーハイブリッド種の開発を通じて、この不確実な未来に備えようとしています。

人類がコーヒーに魅了された物語は、単なる「始まりの物語」ではありません。

それは、人類の発展、文化の形成、経済の推進力、そして現代社会の課題を映し出す鏡です。

コーヒー一杯に込められた歴史を噛みしめながら、その未来についても思いを馳せるのもよいかも知れませんね。

コーヒーは私たちの日常に欠かせない一部となっていますが、その背後にある物語と課題に目を向けること、そして、持続可能な未来への一歩を踏み出すことが求められています。