食物繊維のサプリメントというと、お通じをよくするイメージです。
ところが、最近はもっぱら腸内細菌叢が果たす「腸脳力」がトピックですから、食物繊維の効果もその領域まで広がっていきます。
ある研究が、食物繊維のサプリメントが、年配者の脳機能に微妙ながら明確な変化をもたらしたと報告しています。
研究チームが行った実験では、65歳以上の双子を対象に、一方にはプレバイオティクス(腸内の善玉菌の増殖を助ける食物繊維)を含むサプリメントを、もう一方にはプラセボ(効果のない偽薬)を与えました。
そして、3ヶ月間毎日摂取を続けてもらい、その間に記憶力や思考能力をテストする一連の試験を実施しました。
その結果が、興味深いのです。
プレバイオティクスを摂取したグループは、プラセボを摂取したグループと比較して記憶テストで明らかに優れた成績を収めました。
特に、アルツハイマー病の早期発見に有用な「ペア関連学習テスト」での成績が顕著で、プレバイオティクスグループは半分の誤差数で済みました。
さらに、このグループの便サンプルを分析したところ、有益なビフィズス菌などの細菌が増加していることが確認されました。
この発見は、高齢者の脳機能と記憶力向上に対してのヒントがあるように思います。
この研究はまだ始まったばかりですが、日々の生活に簡単に取り入れることができますし、サプリメント自体のコストもそんなにかからず、安全に摂取できます。
「腸脳力」を磨くために、食物繊維をとるのもいいですね。
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