すでに言い尽くされた感はありますが、ソーシャルメディアの影響は必ずしもポジティブなものばかりではありません。
定期的にソーシャルメディアがヒトの心にどのような影響を与えているかを検証するのは、自分たちの心を守るうえで大切な作業だと思っています。
「技術の進化」によって、私たちは瞬時に世界中の人々と繋がるようになりました。
これは実際、素晴らしいことです。
けれども、それは同時に無数の意見や情報が氾濫し、私たちの注意を奪ってしまいます。
さらに、オンライン上での「個人情報の盗難」や「プライバシーの侵害」が増えています。
自分の個人情報が何者かに盗まれ、クレジットカードの不正利用やソーシャルメディアアカウントの乗っ取りが起こるかもしれないと考えるだけで、不安になりますよね。
このようなリスクから身を守るためには、定期的にパスワードを変更する、セキュリティソフトを利用するなどの対策が必要となってきます。
そして、ソーシャルメディア上での「ミメティック・デザイア」の問題。
これは、他人の欲望や目標を無意識のうちに自分のものとしてしまう現象です。
例えば、SNSで友人が美味しそうな食事をしている写真を見た後、自分もそれを食べてみたくなる、といった経験はありませんか?
これは、他人の欲望が自分に移り変わる瞬間です。
この現象が起こると、本当に自分が何を求めているのか分からなくなり、満たされない気持ちに陥りやすくなります。
一方で、ソーシャルメディアは「民主化の傾向」があると言われます。
つまり、エリートや特定のメディアだけでなく、私たち一人ひとりが情報を発信し、広めることができるのです。
しかし、このシステムは少数の声が多数を代表しているかのように錯覚させ、時には集団的な誤解を生む原因にもなります。
ソーシャルメディアとの健全なつきあい方とは、どんなつきあい方なのでしょう。
重要なのは、「オフラインの時間を大切にすること」ということになります。
結局、つながったままでは、限界があって、ダメなのです。
リアルな世界で家族や友人、社会との対話を持ち続けることが、オンラインの歪みを正し、心のバランスを保つ鍵となります。
スマホを置いて、対話をしていますか?
話をしながら、目線は画面上に置いていませんか?
「注意を向けること」がこれほどまでに重要なのは、私たちの思考、感情、他人との繋がりの基礎だからです。
ソーシャルメディアとの健康的な関係を築くことは、今日のデジタル社会で生きる私たちにとって、非常に重要な課題です。
言い換えれば、ソーシャルメディアから自分自身を守ることが何より優先されるべきだということです。