ファビングをしてしまう人の特徴

 

この話題は以前にもこのブログで取り上げました。

人と対峙する場面でスマホに没頭し、相手を無視する「ファビング」という現象です。

この言葉は「phone(フォーン)」と「snubbing(無視する)」を組み合わせたもので、食事中、会議中、あるいはどんな集まりの場でも、会話をする代わりにスマートフォンに集中してしまう行為を指します。

相手をファビングすることは、排除された感じや人とのつながりが薄れる感覚を引き起こしてしまいます。

研究によると、結婚している人や経験に対して開かれた姿勢を持つ人は、他人をファビングする傾向が少ないのだそうです。

ここでいう「経験に対して開かれた姿勢」というのは、新しいアイデアや体験、創造的な取り組みに対して準備ができていることで、好奇心があり、想像力が豊かである姿勢のことです。

この研究結果は「Healthcare」というジャーナルに掲載され、スマートフォンの使用をコントロールできない状態と、ファビング行為との関連に焦点を当てています。

研究チームは、ファビング行為と性格特性との関連性、そしてこの関連性が退屈や孤独感によってどのように影響されるかを調査しました。

この研究には、レバノンから18歳から29歳の461人が参加し、そのうち71%が女性、91%が独身、94%が大学教育を受けた人々でした。

参加者は、学生ネットワークやソーシャルメディアを通じて募集されました。

研究結果からは、男女ともにファビングを行う可能性に差はないものの、結婚している人よりも独身者がファビングを行いやすいことが示されました。

また、退屈しやすい人や孤独を感じている人も、ファビングに走りやすいことが明らかになりました。

性格特性に関しては、他人をファビングしやすい人は、外向的でなく、協調性が低く、誠実でない傾向があり、また、新しい経験やアイデアに対して保守的で、ネガティブな感情を抱きやすいという特徴がありました。

この研究は、ファビング行為と性格特性との間の関連性に光を当てたものですが、研究デザイン上、データから因果関係を導き出すことはできません。

さらに、参加者は若年層に限られており、他の年齢層では結果が異なる可能性があります。

ファビングは、現代社会でスマートフォンがもたらす影響の一例に過ぎませんが、人間関係や社会的なつながりに与える影響について、我々が意識を向けるべき重要な課題を提起しています。

 

元論文:

Abi Doumit C, Malaeb D, Akel M, Salameh P, Obeid S, Hallit S. Association between Personality Traits and Phubbing: The Co-Moderating Roles of Boredom and Loneliness. Healthcare (Basel). 2023;11(6):915. Published 2023 Mar 22. doi:10.3390/healthcare11060915