CPAPの心血管疾患に対する再評価

 

閉塞性睡眠時無呼吸症候群(OSA)は、夜間の息が止まることが特徴で、長期にわたる心血管疾患(CVD)のリスクを高める可能性があります。

そこで、持続陽圧呼吸療法(CPAP)がこれらの患者において大きな救いとなっていました。

CPAPは、睡眠中に気道が閉塞するのを防ぎ、患者の生活の質を改善するために用いられます。

しかし、最近の研究によると、OSAとCVDを持つ患者において、CPAPが主要な心血管および脳血管イベントのリスクを低減する効果は確認されなかったようです。

この研究は、平均年齢61歳で、82%が男性である4,186人の患者を対象に行われました。

平均34から52ヶ月の追跡期間における個別患者データのメタ分析から得られたものです。

CPAP群のイベント発生率は16.6%で、通常ケア群は16.4%とほぼ同等でした。

ただし、CPAP群において良好なアドヒアランス(1日4時間以上の使用)を示した患者は、主要なアウトカムである心血管イベントのリスクが減少していたことが示されています(ハザード比0.69)。

これらの結果は、OSAとCVDを持つ患者にとって、治療法の見直しを迫るような結果となりました。

当然ながら、CPAPのアドヒアランス、つまり治療への忠実度を改善する方法を模索する必要があります。

と同時に、CPAPと他の代替療法の有効性を比較する新たな研究が必要とされるところです。

心血管疾患とOSAの関係は複雑であり、一つの治療法がすべての患者に効果的であるとは限りません。

医療の世界では、新しい治療法や技術の導入により、常に進化しています。

この進化は、常に科学的な証拠に基づいて行われていくものです。

 

元論文:

Sven Günther, Bertrand Renaud. In patients with OSA and CVD, CPAP did not reduce major adverse cardiac and cerebrovascular events. Ann Intern Med. [Epub 6 February 2024]. doi:10.7326/J23-0113