「膝の痛み」について

 

今日のお話は私の専門外なので恐縮ですが、一般の症状として非常に多い「膝の痛み」についてのお話をします。

膝の痛みは、大きく3つの状態に分けられます。

つまり、膝の変形性関節症、膝蓋骨痛、半月板損傷です。

膝の変形性関節症は、世界で約6億5400万人が影響を受けており、成人の約12%が症状を抱えています。

膝蓋骨痛は、40歳未満の若い人々、特に身体的に活動的な人々に多く見られ、一生のうち約25%の人が経験します。

半月板損傷は、年齢に応じて異なる疫学を持ち、成人の約12%に見られます。若年者では急性の外傷、高齢者では変性の損傷が多く見られます。

これらの症状の診断は、臨床的な診察に重点を置いています。

膝の変形性関節症は、45歳以上の人が活動に関連する痛みと朝のこわばりを経験する場合に診断されます。

膝蓋骨痛は、しゃがむ動作中の前膝の痛みによって診断され、半月板損傷は、マクマレー検査と関節線の圧痛によって診断されます。

治療法には、症状に応じて異なるアプローチがあります。

変形性関節症では、リハビリ、身体活動の促進、体重管理、自己管理プログラムへの参加が推奨されます。

膝蓋骨痛では、股関節と膝の筋力トレーニング、足の装具や膝蓋骨テーピングが行われます。

半月板損傷では、運動療法が主に行われます。

薬物療法としては、抗炎症薬が一般的ですが、高齢者では副作用のリスクが高まるため注意が必要です。

アセトアミノフェンは効果が限定的であるため推奨されなくなっています。

オピオイドは、依存や乱用のリスクがあるため、一般的には推奨されていません。

最終的には、膝の変形性関節症で重症の場合には、膝の全置換手術が検討されます。

しかし、手術後に症状が改善しない人も15〜20%いるため、手術は慎重に選択されるべきだと言われています。

肥満や心理的問題がある場合、手術の成功率に影響を与える可能性があります。

膝の問題は、私たちの生活の質に大きな影響を与えるため、正しい知識と適切な治療法の理解は不可欠です。