時間制限食のダイエット効果

 

ダイエット法は、いくつも流行がありますね。

例えば「時間制限食」は、毎日特定の時間帯だけ食事を取り、その他の時間帯は水などで過ごす「断続的断食(ファスティング)」のひとつとされています。

「断食」と名前はついていますが、哲学的なお話ではなく、今までにも「時間制限食」vs「カロリー制限食」の図式で、検証されてきました。

その研究のひとつです。

 

元論文はこちら→

Pavlou V, Cienfuegos S, Lin S, et al. Effect of Time-Restricted Eating on Weight Loss in Adults With Type 2 Diabetes: A Randomized Clinical Trial. JAMA Netw Open. 2023;6(10):e2339337. Published 2023 Oct 2. doi:10.1001/jamanetworkopen.2023.39337

 

この研究によれば、特に2型糖尿病の成人にとって、「時間制限食」が体重減少に影響を与える可能性が高いことが明らかになっています。

この研究に参加したのは、平均年齢55歳、平均BMI(体格指数)が39、HbA1c(長期血糖値)が8.1%という75人。

彼らは6ヶ月間、時間制限食(TRE)と日常的なカロリー制限(CR)のどちらが効果的かを試してもらいました。

結果は、TREを実践したグループは体重が平均で3.56%減少しました。(CRグループは、有意な体重減少なし(1.78%の減少))

ここで疑問が湧くかもしれません。

この研究の時間制限食(TRE)とは、いったいどんな方法をとったのか?

簡単に言えば、一日の食事を8時間以内にすべて摂るという方法です。

残りの16時間は何も食べずに「断食」をします。

この食事のスタイルが、体内時計に合わせて食事を摂ることで、代謝を効率的にするとされています。

それに対して、日常的なカロリー制限(CR)は、単に一日の食事のカロリーを制限するだけでした。

この方法も体重減少には一定の効果がありますが、今回の研究ではTREの方がより効果的であったというわけです。

なぜTREが効果的だったのか。研究によれば、TREグループは週平均で6.1日、食事の時間をしっかりと守っていました。

その結果、一日当たりの平均エネルギー摂取が313kcal減少。

一方、CRグループは197kcal、対照群はわずか16kcalしか減少していませんでした。6ヶ月間のカロリー目標を守っていたのは、68%だったということです。

実施と遵守状況の差が、そのまま結果の差となっているのかも知れません。

 

これからの食事について考える際、もちろん「何を」、「どれだけ」食べるかは重要です。

でも、それと同時に「いつ」食べるかも大切な要素になるということですね。