物理学からみた永遠のつながり

 

物理学とは、かなりざっくりな説明をすれば、世界のことをどうやって理解するかを学ぶ科学のことです。

物理学者のサビーネ・ホッセンフェルダー博士は、特殊相対性理論を使って「時間の現実」について考察しました。

 

まず、それを野球に例えてみます。

ピッチャーがボールを投げ、バッターがそれを打つ、という場面。

そのボールが本当に「今」飛んでいるのかは、どこに立って見ているかによります。

つまり、ピッチャーの視点からは、ボールはすでに飛んでいる。しかし、スタジアムの最も遠い部分から見ている観客にとっては、そのボールはまだ飛んでいる途中です。

これが「同時性の相対性」の原則です。何が「今」起こっているかは、観察者によるというものです。

 

次に、アインシュタインが提唱した「時空」という概念を考えてみます。これは、場所と時間が一体となったもので、特殊相対性理論の核心的な部分です。

これをマラソンのレースにたとえてみましょう。

ロードマップで俯瞰してみてください。スタートライン、中間地点、フィニッシュラインはすべて同時に存在しています。しかし、それぞれのランナーがその地点を通過する時間はみんな違います。

過去(スタートライン)、現在(レース中)、未来(フィニッシュライン)は同時に存在し、どれも特別なものではないというわけです。

 

それでは、「情報」の永続性について考えてみましょう。

ホッセンフェルダー博士は、情報は再配置されても破壊されないと述べています。物質や放射線は宇宙を移動し続けますが、その本質的な情報は消えることはありません。

これは、ホームランボールが球場を飛び出し、誰の手にも届かない場所に行っても、そのボールが打たれた事実やボール自体の性質が変わるわけではないという考え方に似ています。

 

以上の概念を組み合わせると、ホッセンフェルダー博士によると、死後の人生についての新たな視点が得られるのだそうです。

「時空のブロックにおける過去、現在、未来は同等に存在し、情報は永続する。」

博士によれば、そのため、愛する人が亡くなったとしても、ある意味ではその人はまだ存在していると言えるのだそうです。その存在は、我々が感じる時間の流れを超えているものです。

 

博士の話を聞いた時、物理学の深淵って、かなりロマンチックなんだと思いました。もちろん、そういう考察は嫌いではありません。