感謝の効果

 

このブログで何度も言っているように、人生は、困難と喜びが絶え間なく訪れます。すべてが期待通りに進まないのが人生です。

今の時代、この不満感は、ソーシャルメディアによってしばしば煽られてしまいます。理想的な仕事に就くこと、常に素晴らしい体験を持つこと、外見が一般受けすること、多くの友人を持つことなどが、当たり前のように価値基準になってしまっています。そして、他人がすべてこれらを手に入れ、真の幸福を得ているかのようなメッセージや写真が溢れています。

常に期待以上のものを求めてしまう、そんな社会に、私たちはいます。

そんな社会で、感謝することが幸せを見つけるカギとなることを、過去数十年間のポジティブ心理学と認知行動療法の研究が示してきました。

感謝の表現は、他者を気遣い、他者が自分を気遣うための道具となります。これは自分自身や他人、そして生活全体への視点を変え、ネガティブな思考をポジティブなものに変える力があります。

それによって引き起こされる変化は、感謝の日記を書くという単純な行為からも明らかです。毎日3つの良いことを書き留めるだけで、幸せ感が増し、日々の生活への満足度が高まると報告されています。

ただし、感謝はすべての問題を解決する魔法の薬ではありません。それは生活の良い部分に目を向ける助けとなり、良い感情やポジティブな経験を増やすツールとなるだけです。

それはパズルの一部と考えた方がいいかも知れません。それ自体がパズルの解決策ではありません。それはあくまで、人生という壮大なパズルを完成させるための一片に過ぎないのです。ですが、一片でも欠けていたら完成しません。