1920年代のドイツの数学者、デビッド・ヒルベルトが、とても不思議なホテルを考えました。
このホテルには、部屋がなんと無限にあるのです!
その名も「無限ホテル」。
ホテルのマネージャーはとても忙しい人で、夜な夜な働いていました。
ある夜、ホテルは無限の部屋がすべて客で埋まり、満室になりました。
でも、その時、新しい客が一人ホテルにやってきて、部屋を求めました。
このとき、ホテルマネージャーが考えた策がすごいのです。
彼は1番の部屋にいる客に2番の部屋に移ってもらい、2番の部屋にいる客に3番の部屋に移ってもらうことを頼みました。
そうすることで、1番の部屋が空き、新たな客を受け入れることができました。これは、部屋が無限にあるから可能なわけです。
でもその後、もっとすごいことが起こりました。
「無限の乗客」を乗せた大きなバスがホテルに到着しました。
でもマネージャーは慌てずに、また賢い方法を思いつきました。
それぞれの客を、2倍の部屋番号に移動させるように頼んだのです。
すると、奇数番号の部屋全てが空き、バスの乗客を受け入れることができました。
そしてまた、今度は「無限のバス」が「無限の乗客」を乗せてやってきました。
さすがのマネージャーも困ってしまいそうでしたが、彼は数学者ユークリッドが発見した素数の無限性を思い出しました。
そして、それぞれのバスの乗客を、素数のべき乗で表される部屋番号に割り当てることを考えました。
それぞれのバスは、次の素数のべき乗を使うことで、全ての乗客に部屋を提供することができました。
このお話から、無限という概念がどれほど難しく、そして興味深いかがわかります。
でも、それが数学の面白さでもあります。
ヒルベルトの「無限ホテル」は、ちょっと変わったホテルですが、このホテルのおかげで、無限の世界について少し考えるきっかけになりませんか?
でも、決してヒルベルトの無限ホテルを訪れてみたいと思わない方がいいです。
ぐっすりと寝静まった深夜に、部屋を変えるハメになりますから!