空想が刺激する創造性

 

夢想家に限らず、一般的に、人は毎日、目が覚めている時間の3分の1から半分を空想に費やしているのだそうです。

これは「時間の無駄」などではなく、それが何らかの意味や目的があるはずだと考られています。まったくの無駄であれば、人類が進化するに従って「空想の時間」は削ぎ落されてきたはずですから。

 

例えば、学生時代、教科書を広げながらボーっとしていたことを思い出してください。「心ここにあらず」を何度も経験してきたはずです。

科学者たちは脳イメージングの最新技術を駆使して、人間がタスクを行ったり、考えたり、空想したりしているときに脳のどの部分が活動しているかを、視覚化しました。

脳の画像がきれいな虹色に彩色された、見ると何となく説得力のある、アレです。

そこで発見されたのは「心ここにあらず」の時に活発化する、一連の脳領域の存在です。これらの領域はデフォルトモードネットワークと名づけられました。「デフォルト」なんですね。

そこは、記憶を辿る、計画や希望を考える、そして、心が空想の彼方に飛んでいくときに関与しています。

対して、論理的思考を利用したアイディアの選択や開発、追及のプロセスをつかさどるエグゼクティブネットワークが存在することもわかっています。

「デフォルト」で広く想像し、「エグゼクティブ」で論理的に検証するという過程を踏むわけですね。

そして、「創造的思考」の条件とは、この2つのネットワークが同期して働くことなのだと言われています。

心の放浪は、アイデアとポジティブな感情の増加を促します(デフォルト)。そして、それを論理的にナビゲートしていくわけです(エグゼクティブ)。

 

今、ぼーっとしてても焦る必要はないかも、ですね。

この「ぼーっとした時間」が、いつか世間を驚愕させるビッグ・アイデアを生み出すかも知れないじゃないですか!(それこそ空想の彼方に飛んじゃってる話なのかも 笑)