不安の本音

 

私たちの人生は、さまざまな不安とともに歩んでいるものです。その中でも、病気や老いへの不安は、特別に心に重くのしかかります。

心理学者の加藤諦三氏は著書「不安をしずめる心理学」で、悩みを抱える私たちが実は助けを求めているのだと述べています。しかし、その気持ちが他人に伝わりにくく、時には自分自身にも気づかないことがあるのです。

なぜ悩み続けるのか、それは「どうしようもない現実」に直面しているからです。心の奥底では「助けて!」と叫んでいるものの、その声がなかなか届かず、周囲からは「悩んでも仕方ない」と言われることが多いです。

病気や老いへの不安が深いのは、個人的な問題であるためです。若いころは、病気や老いをあまり考えずに過ごしますが、年齢を重ねることで、その現実が身近に感じられるようになります。この不安は、自分だけの悩みであり、他人と共有しにくいものです。

では、どうすれば不安に対処できるのでしょうか。まずは、自分自身が不安を受け入れ、現実を直視し、自分の気持ちを素直に認めることが大切です。そして、周囲の人たちとコミュニケーションを大切にすることです。悩みを分かち合うことで、他人からの理解や支えを得られることがあります。

不安は誰もが抱える共通の悩みです。その不安を他人に理解してもらうためには、まず自分自身が助けを求めているのだと自覚することが必要です。