「老人と海」の老人の年齢

 

 

ふと「老人と海」の老人、サンチャゴは何歳なのだろうかと思っていました。

作中には「老人」とありますが、年齢には触れていません。

ヘミングウェイが自らの実体験から着想を得たというのは有名なお話ですから、小説を書き始めた彼の年齢がそのままサンチェゴの年齢なのかも知れません。

そうと仮定するなら、1951年に書き始めていて…彼の生年1899年で…、計算すると、52歳!

昔なら52歳を「老人」と表現しなくもないかなあ?

なにしろ宇宙戦艦ヤマトの沖田艦長が52歳だというのは有名な話ですし、磯野波平が54歳というのは、昭和の男たちの老け具合を代表しています。

「老人と海」が刊行されたのが1952年。1950年の世界の平均寿命が48歳であることを考慮すると、52歳は立派な「老人」と呼べるかも知れません。

この小説の老人の代表的なセリフがこれです。

「だが、人間、負けるようにはできてねえ。ぶちのめされたって負けることはねえ」

不屈の闘志を持つ老人の代表として、サンチェゴはいます。

最後に、ふたたびうつぶせのまま眠りにつく老人。少年が傍らに座って、その寝姿をじっと見守っています。老人はライオンの夢を見ていました。

死力を尽くして戦った満足感が老人の心を満たしていたのだと思います。

くじけそうになったら、「老人と海」をもう一度読み直すのも良いかも知れません。わりと若い時に読むような小説ですが、歳を重ねた時期に読むのが良い気がします。