ムツゴロウさん

 

ムツゴロウさんこと畑正憲さんの訃報を初めて耳にしたのは、お昼のテレビのニュースからでした。

ムツさんの最近のご様子はYouTubeチャンネル「ムツゴロウの656」で拝見していましたし、大変元気にあの「ムツ節」を披露していましたから、とても驚きました。

87歳だったそうです。

私は何度かこのブログで、ムツさんへの憧れを投稿してきました。

エゴサしてみると、2013年(なんと10年前!)に書いています。

「中学生の頃、ムツゴロウさんの本を片っ端から読み漁ったこと。当時、文藝春秋社から出版された「畑正憲作品集」を全巻買い揃えるほどだったこと。はまったきっかけは、学校図書館で「ムツゴロウの絵本2 ヒグマの巻」が最初だったこと。ムツさんの姿は、当時の佐久田少年にとってあまりにも衝撃的で憧れの的だったこと。自分が今もムツさんの影響を受けているかも知れないと感じる時に、思わず笑みがこぼれてしまうこと。」

要約するとこんな感じですが、私のたどってきた道を今振り返っても、ムツゴロウさんは間違いなく私に強い影響を与え続けていました。

前述の「畑正憲作品集」第18巻は「生きる・学校 さよならよ・ムツゴロウのゆうびん箱」の3本立てですが、特に「生きる」は中学生向けに書かれていて、思春期の恋愛について語り、大いに悩むべしと背中を押してくれているものです。

こんな文章で始まります。

「最後に、中学生の生き方にふれよう。ただしこれからの数百行は、科学というよりぼくの信念を述べようと思う。そもそも生き方を話す時には、だれにも満足がいくようにはできないものだ。生き方は、ひとりひとり違うし、だから人生が楽しいだといえる。科学はある程度多くの人に認めてもらわねばならないが、こう生きるというのは、万人に認められる必要はない。人の一生なんて、先の先まで見通せるものではない。何が正しいのか結論が出ないことだって多い。しかし生きるのをやめるわけにはいかない。どう生きるのか、鋭敏なアンテナを動かしてさぐりあて、『信じて』進まねばならない。」

計算したら、ムツさんが35歳の時の文章でした。

心よりご冥福をお祈りいたします。