「楽しみを以て憂いを忘る」

 

 

 

今日は論語の一節から。(述而第七の一八)

 

葉公問孔子於子路、子路不対

子曰、汝奚不曰、其為人也

発憤忘食、楽以忘憂

不知老之将至云爾

 

意味は以下に示します。(現代訳論語 下村湖人著より)

 

葉公(しょうこう)が先師のことを子路にたずねた。子路はこたえなかった。先師はそのことを知って、子路にいわれた。―

 「お前はなぜこういわなかったのか。―学問に熱中して食事を忘れ、道を楽んで憂いを忘れ、そろそろ老境に入ろうとするのも知らないような人がらでございます、と。」

 

論語の「述而第七」は、孔子が自分の教育法や自らの人物像を語っているものです。

特に3行目の「発憤忘食、楽以忘憂(憤りを発して食を忘れ、楽しみを以て憂いを忘る)」が有名で、切り抜きされて紹介されることも多い言葉ですね。

食事を忘れるほど発憤するというのは孔子らしいと言えます。

それと並ぶのは、心配事を忘れるぐらいに楽しむ姿勢。そこは境地(ゾーンやフロー状態)とも言えます。

楽しむには、好きなものに限ります。苦労があったとしても、目標が達成できた時の喜びは大きなものになります。