小説「ザリガニの鳴くところ」

 

 

映画化の話を知ってから、映画を観る前に急いで原作を読みました。

ジャンルとしては文芸ミステリー。2019年、アメリカで最も読まれ、全米で500万部を突破した作品なのだそうです。日本でも2021年本屋大賞翻訳小説部門第1位のほか、2021年版このミステリーがすごい!や2020年週刊文春ミステリーベスト10の海外部門それぞれ2位を獲得するなど評価も高く、今や世界的ベストセラーですね。

 

以下は、ネットで拾ってきた紹介文です。

 

「ノース・カロライナ州の湿地で男の死体が発見された。人々は「湿地の少女」に疑いの目を向ける。6歳で家族に見捨てられたときから、カイアは湿地の小屋でたったひとり生きなければならなかった。読み書きを教えてくれた少年テイトに恋心を抱くが、彼は大学進学のため彼女のもとを去ってゆく。以来、村の人々に「湿地の少女」と呼ばれ蔑まれながらも、彼女は生き物が自然のままに生きる「ザリガニの鳴くところ」へと思いをはせて静かに暮らしていた。しかしあるとき、村の裕福な青年チェイスが彼女に近づく…みずみずしい自然に抱かれて生きる少女の成長と不審死事件が絡み合い、思いもよらぬ結末へと物語が動き出す。」

 

作者のディーリア・オーエンズは動物行動学の博士号を持ち、湿地の保全活動の経験も豊富なネイチャーライターで、フィクションは今回が初めてだそうです。(あとで作者が女性であることを知って妙に納得しました。)

少女の成長物語として読み進めていくうちに、事件へと帰着していく過程が見事だと思いました。

また、法廷場面が終盤に用意されているなど、趣向を凝らした構成になっています。

それにしても、終始一貫したカイアの毅然たる態度が、印象的でした。

面白かったです。映画との比較はまたいずれ。