映画「海底2万マイル」

 

 

「海底二万里」で思い浮かぶのは、ジュール・ヴェルヌの小説よりもまずディズニーシーのアトラクションでしょう。

これは、どちらかというと映画「海底2万マイル」の方をモチーフにしている印象があります。

映画は、1954年公開。ウォルト・ディズニーが映画化した作品ですから、さもありなんというところですね。

映画は小説の博物誌的な要素を排除して、冒険活劇の方をメインに描き直しています。

また、小説では伏せられていた、ネモ艦長の出自を明らかにすることで観客の共感を得られるようにストーリーを変更しています。

特にラストのクライマックスでは、これ以上ないほどの落としどころにおさまった感があります。

劇中に登場するノーチラス号のデザインは、のちにディズニーシーのアトラクションで再現されるものですし、人々のノーチラス号の造形イメージはここから植え付けられたものです。

原作ではノーチラス号は電気を動力源としていますが、映画版では原子力であることが示唆されており、これもまたすごい話です。

嵐のシーンやクラーケンとの闘いなど、1950年代の特撮技術でよくこれだけのものを撮れたものだと感心します。

ディズニーシーに行く前に、この映画は観てから行くべきだなと思いました。その方が「海底2万マイル」の世界観を数倍楽しめるはずです。